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  1. 山梨県議会 2020-09-01
    令和2年9月定例会(第2号) 本文


    取得元: 山梨県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-11
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和2年9月定例会(第2号) 本文 2020-09-24 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ 別窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 40 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長山田一功君) 2 ◯皆川 巖君 3 ◯議長山田一功君) 4 ◯知事(長崎幸太郎君) 5 ◯議長山田一功君) 6 ◯福祉保健部長小島良一君) 7 ◯議長山田一功君) 8 ◯県土整備部長大儀健一君) 9 ◯議長山田一功君) 10 ◯教育長斉木邦彦君) 11 ◯議長山田一功君) 12 ◯皆川 巖君 13 ◯議長山田一功君) 14 ◯観光文化部長中澤宏樹君) 15 ◯議長山田一功君) 16 ◯皆川 巖君 17 ◯議長山田一功君) 18 ◯観光文化部長中澤宏樹君) 19 ◯議長山田一功君) 20 ◯議長山田一功君) 21 ◯望月 勝君 22 ◯議長山田一功君) 23 ◯知事(長崎幸太郎君) 24 ◯議長山田一功君) 25 ◯知事政策局長渡邊和彦君) 26 ◯議長山田一功君) 27 ◯福祉保健部長小島良一君) 28 ◯議長山田一功君) 29 ◯県土整備部長大儀健一君) 30 ◯議長山田一功君) 31 ◯警察本部長大窪雅彦君) 32 ◯議長山田一功君) 33 ◯望月 勝君 34 ◯議長山田一功君) 35 ◯福祉保健部長小島良一君) 36 ◯議長山田一功君) 37 ◯望月 勝君 38 ◯議長山田一功君) 39 ◯森林環境部長(村松 稔君) 40 ◯議長山田一功君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長山田一功君)これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。  日程第一、知事提出議案第七十八号議案ないし第九十二号議案、認第一号議案、認第二号議案及び承第三号議案を一括して議題といたします。  これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第二の県政一般についての代表質問を行います。  この際申し上げます。本定例会においては、本会議への出席に当たって、原則としてマスクを着用することとしておりますが、質問・答弁で登壇する際や、飛沫感染防止対策を行っている場所での発言は、非着用も可としておりますので、御了承願います。  発言の通告により、皆川巖君に四十分の発言を許します。皆川巖君。        (皆川 巖君登壇)(拍手) 2 ◯皆川 巖君 私は、自民党誠心会を代表いたしまして、今定例県議会に提出されました案件並びに県政一般について質問をいたします。  まず初めに、去る七月、熊本県を中心とする九州地方のほか、全国各地を襲った令和二年七月豪雨により被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。  また、新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、感染された皆様に心からお見舞いを申し上げます。  さて、去る十六日、第二百二回国会において、我が自由民主党の菅義偉総裁が第九十九代内閣総理大臣に選出されました。  今、世界、日本、そして本県は、新型コロナウイルスによる未曽有の事態の真っただ中にあります。また、経済情勢、国際情勢も一層不透明感を増しています。  「大いなる意欲のあるところに、大いなる困難はない」との言葉があります。新内閣総理大臣には、この困難な時代にあっても、全身全霊をもって我が国を明るい未来に導かれることを期待しているところです。  一方、県政では、長崎知事は、新型コロナウイルス感染症対策に加え、コロナ後の時代を見据えた新たな施策を矢継ぎ早に打ち出しております。  その卓越したリーダーシップは高く評価しておりますが、この危機的な状況においては、県議会と執行部が車の両輪となって、英知を絞っていくことが重要であります。  私は、地方議会における二元代表制の原則に立ち、個々の政策課題に対する責務を全うするため、真摯な識論を展開してまいりたいと考えております。  我が自民党誠心会は、ふるさと山梨の県民生活の向上を目指し、長崎知事とともに、一丸となって県政発展に、全力で取り組むことをお誓いし、以下、質問に入ります。  初めに、ウイズコロナ・ポストコロナを見据えた移住・定住施策の推進についてお尋ねします。  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、政治、経済、社会、文化、教育など、あらゆる分野で物事に対する見方や考え方が変化してきており、新たな働き方として、これまでにない規模でテレワークが拡大、浸透してきております。  東京商工会議所が会員向けに実施した調査でもテレワークの実施率は、本年三月の二六%から、五月には六七・三%と四〇ポイントも増加しました。
     また、新聞報道によると、東京都心では、オフィスを縮小したり、オフィスワークを原則テレワークに切りかえたりする企業もあらわれ、オフィスの空室率が七月まで五カ月連続で上昇するなど、働き方の変化は数字にも明確にあらわれております。  都市部では、人口集中による弊害として、いわゆる三密の回避が難しく、パンデミックやクラスターの発生により医療崩壊の可能性が高いなど、その脆弱性が露呈し、東京一極集中から地方へと流れが大きく変化してきています。  知事は、この流れを的確に捉え、八月に組織再編を行い、グリーン・ゾーン推進課を新設し、やまなしグリーン・ゾーン構想の推進体制の強化を図ることとしました。  あわせて、地域創生・人口対策課を県民生活部からリニア交通局へ移管するとともに、リニア推進課をリニア未来創造・推進課に改組し、リニアやまなしビジョンの推進に加え、地域政策や二拠点居住に係る関連業務をリニア交通局に集約しました。  年度中途にもかかわらず、時代の変化に柔軟に対応し、県の組織体制の強化を図るという知事の行動力は高く評価するものであります。  新たな体制のもと、感染防止と経済活動の両立を図るグリーン・ゾーン構想をさらに推進することにより、県民の安全を確保するのみならず、県外からも安心して来訪していただけるようになり、リニアやまなしビジョンに掲げるテストベッドの聖地化、関連産業の集積に加え、二拠点居住を含めた新たな暮らし方や働き方を実現させることにより、首都圏の一角を担う山梨県が移住先として選ばれる地域になるものと確信しております。  そこで、移住・定住施策について、これまでの施策に加え、今後、ウイズコロナ・ポストコロナを見据え、どのように推進していくのか、御所見をお伺いします。  次に、自主財源の確保についてお尋ねします。  県内景気は、平成二十九年七月に端を発する米中の貿易摩擦などの影響により、後退傾向にあるとされ、県が先月発表した令和元年度の一般会計決算では、企業業績の悪化などを背景に、県税収入は約九百三十五億八千七百万円と、前年度に比べ三十四億円余り、率にして三・五%下回りました。  また、本県の令和二年度当初予算では、一般会計の歳入総額に占める県税収入の割合は二割程度であり、自主財源比率を見ますと、平成三十年度決算では四二・八%で、全国三十位となっており、歳入の多くを地方交付税や県債などの依存財源に頼らざるを得ない状況にあります。  私は、本県が魅力ある地域づくりを推進していくためには、新たな税源の創設など、幅広く自主財源を確保することで、財政の安定・強化を図ることが不可欠と考えております。  そこでまず、自主財源の確保に向けた県としての基本的な考え方についてお伺いします。  また、私は、自主財源の確保について、昨年六月議会において、県議会が昨年三月に提出した「地下水に着目した法定外税導入に関する政策提言」を踏まえ、法定外税の早期導入を求めたところであります。  本県は、ミネラルウオーターの生産量が全国一位であり、豊かな自然から生み出される良質な地下水に着目した課税は、有力な自主財源の候補であります。  県では、昨年八月、本県にふさわしい税制のあり方について幅広く検討するため、山梨県地方税制等検討会を設置し、これまでに四回の検討会を開催しておりますが、これまでの検討状況と今後の見通しについて、あわせてお伺いします。  次に、新型コロナウイルス感染症の再拡大に備えた病床確保についてお尋ねします。  本県では、七月に二十二名、八月に七十六名、合わせて約百名の感染者が発生し、第二波を迎えました。  感染者の傾向を見ると、当初は若者の感染が多かったものの、八月以降、高齢者の感染が相次ぎ、重症者や死亡者も発生しました。  今後も、ウイルスは消え去ることはなく、今冬季に関してはワクチンが接種できるかわからないことから、感染の波が再び訪れることが十分考えられます。  県民の多くは、こうした感染拡大期でも、自分や家族が感染した場合、受け入れる病院があるか、不安を抱いていることと思います。  現在、東京などを中心に、自宅療養者の数が拡大しておりますが、容体急変時の対応や家庭内感染などの課題が大きいこと、そして何よりも県民の不安が大きいことから、入院あるいは宿泊療養のいずれかを基本とするべきだと考えます。  こうした中、県では、七月に新たな患者推計と病床確保計画を発表し、病床等の確保を進めてきたと承知しております。  感染が判明した方が、きちんと療養できる体制を構築することは大変重要でありますが、現在、十分な病床や宿泊療養施設の確保ができているのか、まずお伺いします。  一方で、目の前の感染症対策に全力で取り組むことは大切でありながらも、通常の医療が犠牲になることは可能な限り回避しなければなりません。  新型コロナウイルス感染症に対応する病床の多くは、地域の中核的な病院で確保しているものと思いますが、これらの病院は、地域に根差した医療を提供するという重要な役割を担っております。  本県は、都市部に比べると、医療従事者や病院などの医療資源は脆弱であり、コロナのために多くの病床を確保すればするほど、通常の医療への対応が希薄になってしまいます。  また、これまでのコロナ対応で医師や看護師は疲弊しており、持続的に医療を提供するためには、こうした病院への負担を軽減する配慮も必要であります。  入院病床の確保に当たっては、医療機関の役割分担や宿泊療養施設の積極的な活用など、通常医療と両立を図るための工夫が必要と考えますが、どのように運用していくのか、お伺いします。  次に、医療従事者へのメンタルヘルスケアについてお尋ねします。  今般の新型コロナウイルス感染症は、人類が初めて対峙する未知のウイルスであり、医師、看護師などの医療従事者は、自身の感染リスクと向かい合いながら日々の治療に当たっています。  また、自身が発生源となって感染を拡げないよう、同居家族と接する時間も最小限にとどめるなど、細心の注意を払って生活している方が多数いると伺っており、医師・看護師などの医療従事者は、連日、公私ともに、はかり知れないストレスを抱えながら職務に当たっています。  新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、適切な医療を提供し続けるためには、医療従事者のストレスをいかに軽減していくかが肝要であります。  また、新型コロナウイルス感染症以外でも、医療現場では生死にかかわる重篤な患者を受け入れており、医療従事者は、自身の医療技術を総結集して患者の治療に注力しております。  しかしながら、努力のかいなく患者の死亡など、思い描くような結果を導くことができない事態に直面した際には、強い自責の念を覚えるとともに、長きにわたり心に傷を負う傾向が強いと言われております。  国では、労働者の勤務環境を改善するため、時間外労働の上限設定、確実な休暇取得などの働き方改革を進めており、医師以外の職種については、平成三十一年度から既に適用が始まり、医師についても令和四年度から適用される予定となっております。  勤務環境の改善は、労働時間の縮減だけでなく、内面のストレスを軽減する中で、初めて最大限の効果が得られるものであり、特に命と向き合っている医療従事者には、心の安寧が不可欠であります。  そこで、日々不安と緊張を伴う厳しい環境の中で治療などに従事する医療従事者へのメンタルヘルスケアに対する県の取り組みについてお伺いします。  次に、高齢者の口腔機能の維持向上についてお尋ねします。  厚生労働省の人口動態統計によると、令和元年度に誤嚥性肺炎で亡くなられた方は全国で約四万人であり、そのほとんどを高齢者が占め、十年前に比べて二倍以上に増加しております。  誤嚥性肺炎は、高齢になるにつれて身体機能が衰え、飲み込み機能の低下により、口腔内の細菌などが誤って気管に入って引き起こされるとされ、口腔内の衛生管理を適切に行うことや、口腔機能を維持することで、予防することができるといわれています。  私の身近でも、誤嚥性肺炎で亡くなられた方がおり、口腔内の健康保持は非常に重要であることを、改めて実感したところであります。  日本歯科医師会によると、適切な口腔衛生管理を行うことで、歯周病によるウイルス感染が抑制され、腸内環境のバランスが整えられて全身の免疫力が高まるため、ウイルス感染症の発症、重症化の予防にもつながるとされております。  さらに、口腔機能が衰えた状態であるオーラルフレイルが進行すると、栄養摂取量が減少し、運動機能や認知機能が低下するなど、健康な高齢者と比べて、要介護状態となるリスクが二・四倍に高まるとの調査結果もあります。  高齢化が進展する中で、今後、健康寿命をさらに伸ばしていくには、高齢者の口腔機能の維持向上を図ることにより、高齢化に伴ってかかりやすくなる疾病を予防し、要介護状態となるリスクを軽減することが重要と考えます。  そこで、県として高齢者の口腔機能の維持向上にどのように取り組んでいくのか、お伺いします。  次に、子供の死亡検証の推進についてお尋ねします。  親からの育児放棄やしつけと称した暴力により命を落とす子供たち、いじめによるネット上の悪口、誹謗中傷、個人情報の流出に耐え切れなくなって、みずから命を絶つ子供たちなど、目を覆いたくなるような現実が連日のように報道されています。  コロナ禍でのストレスも問題視される中で、その対策は喫緊の課題といえます。  妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない子育て支援施策の充実はもちろんですが、この世に生を受けた全ての子供の命を大切にし、安全で健やかに成長できる環境を整えることの大切さを、私自身、二人の子供を育て上げた親としても、痛切に感じています。  こうした中、県では、全国に先駆けて、予防可能な子供の死を減らすことを目的とした子供の死亡検証、いわゆるチャイルド・デス・レビューの制度化に向けたモデル事業に取り組んでいます。  安心して子供を生み育てることができる環境を整備する上で重要な取り組みであり、その成果に期待しているところであります。  日本小児科学会の子どもの死亡登録・検証委員会が、全国百五十五の医療機関を対象に、二〇一四年度から二〇一六年度に発生した十八歳未満の死亡事例約二千件を分析したところ、対策を講じていれば防げた可能性のある事案が四分の一に上ることが判明しております。  どのような理由であれ、防げる子供の命が犠牲になることはあってはなりません。  子供の命を守るための先駆的な取り組みに果敢に挑戦する知事の姿勢は大いに評価するところであり、本県のこれまでの取り組み状況と、今後どのように進めていくのか、お伺いします。  次に、新型コロナウイルス感染症影響下における雇用の維持についてお尋ねします。  山梨労働局の発表によると、七月の山梨県内の有効求人倍率は〇・九三倍と、二カ月連続で一倍を下回り、新型コロナウイルス感染症の影響により、雇用情勢は厳しさを増しております。  また、新型コロナウイルス感染症に起因する解雇等見込み労働者数は、九月十一日時点で、全国では五万四千八百十七人、県内では二百四十五人とのことです。  業種別の内訳としては宿泊業が最も多く五十九人、次いでサービス業が五十六人、卸小売業が四十一人であり、県内雇用にも確実に影響を及ぼしております。  本県の就業者数に占める解雇等の見込み労働者数の割合は全国三十四位と比較的低い水準にとどまっておりますが、これは、事業活動が縮小しても雇用調整助成金などを活用しながら雇用の維持を図り、解雇しないよう努力を続けている結果であります。  雇用の維持は、県民の生活の根幹にかかわる、命の次に重要な問題であり、新型コロナウイルス感染症の影響に耐えながら、懸命に雇用を維持されている経営者の皆様に、心から敬意を表したいと思います。  国では、雇用調整助成金の特例措置を十二月末まで延長することとしましたが、雇用情勢が大きく悪化しない限り、来年一月以降は段階的に縮減していくこととしております。  雇用調整助成金の特例措置の縮減により、企業が重要な人材を手放すことがないよう、雇用をつなぎとめるためのさらなる支援策が必要とされているのではないでしょうか。  一方で、民間調査会社の調査によると、建設業やメンテナンス・警備等、教育サービスなどの分野では人材不足が続いており、県内の職業別求人倍率を見ても、建設関係や医療・福祉などの分野では依然として高い水準となっております。  このような状況から、新型コロナウイルス感染症の影響により業績が悪化し、一時的に人手が余っている人材を、人手が不足している企業で活用するような工夫も、雇用を維持するためには効果的であると考えます。  今後、新型コロナウイルス感染症の影響次第では、従業員解雇の増加も懸念される中、県では雇用維持のためにどのように取り組んでいくのか、お伺いします。  次に、水素・燃料電池関連施策の推進についてお尋ねします。  「エネルギーを制する者は世界を制する」とは、国際経済の共通認識であり、現に世界中の国々が覇権を競ってきました。  従前、このエネルギーとは石油などの化石燃料と同義でしたが、現在は環境負荷の少ないクリーンエネルギーへの転換が進み、クリーンな形で電力を製造し、活用する取り組みに世界の関心が移行しております。  私自身、日ごろハイブリッド車を使用し、その技術の進展に目を見張っておりますが、今後は全く二酸化炭素を排出しない究極のエコカー、燃料電池自動車が世界を席巻する日も遠からず訪れるのではないでしょうか。  本県の水素・燃料電池関連の施策は、燃料電池の世界的研究実績を有する山梨大学と早くから連携し、研究機関の集積を図ると同時に、その研究成果を活用した産業展開を進めてきました。  また、企業局においても、甲府市米倉山において、太陽光を活用した先進的な水素製造等の取り組みを進めていると承知しております。  このような中、県は今月、技術研究組合FC─Cubicの本県への移転決定を発表しました。  FC─Cubicは、燃料電池に関し、国内を代表する有力な研究機関であり、今般の移転決定は、知事が先頭に立って進められてきた誘致活動の大きな成果であります。  また、高度な専門性を有する技術研究組合は、法に基づいて設置される研究組織であり、全国に五十七の組合がありますが、本県では初の設置であり、この点も高く評価したいと考えます。  さらに、FC─Cubicは、リニアやまなしビジョンが掲げるテストベッドの聖地化に向けた取り組みにおいても、最適な研究組織であり、今回の移転決定は、ビジョン実現に向けた大きな第一歩になると考えます。  そこで、今般のFC─Cubicの本県移転がもたらす効果について、御所見を伺います。  また、水素・燃料電池関連で、これほど研究機関等が集積し、同時に産業展開を図っている地域は全国でもまれであり、本県の取り組みの先進性や優位性をもっと対外的にPRしていくべきと考えますが、この点についても御所見をお伺いします。  次に、コロナ禍を乗り越えるための観光施策についてお尋ねします。  観光は、宿泊業はもとより、飲食や交通、土産物の小売りや製造などにも波及する裾野の広い産業であり、観光消費の拡大は、地域経済全体の活性化につながるものであります。  県政のかじ取り二年目を迎えた長崎知事は、伝統芸能や文化財などの文化資源を観光に活用した文化観光を強力に推進するため、本年四月に観光文化部を設置しました。  国においても、本年四月に、文化観光推進法を制定したところであり、観光振興と文化振興を一体的に行うこの組織再編は、まさに時宜を得たものであります。  ところが、本年一月に初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されて以降、感染者は増加の一途をたどり、文化観光による山梨県経済の牽引に向けた取り組みは、そのスタートから大きな困難に直面しております。  また、本県に観光シーズンの到来を告げる信玄公祭りを初め、県内各地の花火大会、吉田・南部の火祭りなど、山梨県を代表する集客イベントは中止を余儀なくされ、多くの観光客が訪れる富士山の登山道も閉鎖されるなど、昨年までのにぎわいには、ほど遠い状況であります。  先月公表された宿泊旅行統計調査の結果を見ても、本年一月から六月の県内延べ宿泊者数は、平成二十三年以降で最も少ない百五十八万人余りにとどまり、本県の観光産業が直面する危機的状況を裏づける結果となっています。  しかしながら、六月に入り、県内延べ宿泊者数は、前年同期比で二三・七%、五月よりも一二・三ポイント改善しており、日本人観光客に限れば、観光需要の低迷は五月で底を打ったといえるのではないでしょうか。  また、第二波により、感染が拡大した東京都や、その隣接県の感染者数も、ようやく減少傾向に向かっており、今月十八日には、GoToトラベルキャンペーンの東京発着旅行の予約が解禁されたところです。  私は、その機を逸することなく、首都県からの誘客を図り、県内各地が観光客でにぎわいを取り戻すことを切に望むものであります。  そのためには、まずは、日本人の観光需要をしっかり取り込むため、新たな観光コンテンツの充実や、観光資源のさらなる高付加価値化を図り、この史上最悪のコロナ禍を乗り越えなければなりません。  また、外国人宿泊客の比率が高い本県がコロナ禍を乗り越えるためには、外国人の観光需要を取り込むことも不可欠であることから、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間を準備期間と位置づけ、受け入れ環境整備などを積極的に進めるべきであります。  そこで、コロナ禍を乗り越えるための観光施策をどのように進めていくのか、具体的な取り組みについてお伺いします。  次に、甲府城の整備と活用についてお尋ねします。  山梨県のシンボルの一つである国史跡甲府城跡については、私は、その本質的価値を守り、将来にわたって着実に継承していくため、歴史的・学術的価値を多くの人々に理解していただくとともに、その周辺を整備して観光拠点として活用し、地域の活性化につなげる必要があることを、これまでも、あらゆる機会を通じて、一貫して申し上げてきました。  甲府城には、改めて申し上げるまでもなく、文化財的価値に加え、観光資源としても特筆すべき魅力があります。  例えば、城郭の最頂部にある天守台からは、甲府盆地全体や富士山・南アルプスなど周辺の山々を見渡すことができ、すばらしい眺望を体感することができます。  巨大な自然石を余り加工せずに積み上げた東日本最大級の穴太積みの石垣は、良好な状態で残っており、その美しさと迫力は、訪れる人々の心を引きつけています。  また、甲府城の規模が、全国では六番目、関東では江戸城に次ぐ大きさであったことは余り知られていませんが、甲府市が復元した北の玄関口「山手門」は、中央線を挟んで駅の北口に位置しており、ここから天守台を望みますと、私たちは、江戸時代の城の大きさを容易に想像することができます。  観光資源としてもすぐれたこの文化財を、今後どのように整備し、活用して、県都甲府の中心市街地の活性化につなげていくのか、県では今後、甲府城の具体的な整備の指針となる整備基本計画の中で、検討を進めていくものと承知しています。  私は、甲府城の整備においては、次の取り組みが必要であると考えております。  一つ目は、お堀の復元であります。現在の県民会館跡地は、芝生広場として県民の利用に供されていますが、内堀を復元、拡大して水辺空間を創出すれば、史跡の価値の顕在化に資するだけでなく、情緒あふれる城下町の風情が再現され、必ずや多くの人々が集い、憩える場所になるはずです。  二つ目は、歴史的建造物の復元です。史跡の理解を深め、往時の歴史を体感することができる観光振興の柱となる取り組みであります。私は、天守閣の整備を目指していますが、まずは古写真等で存在が確認できている本丸櫓や数寄屋櫓などの復元・整備により、江戸時代の雄姿を現代によみがえらせることで、県内外からの観光誘客につながるものと確信しています。
     甲府城は、県都甲府の核となる文化観光資源の一つであり、この資源を最大限活用して、中心市街地ににぎわいを取り戻すことは、喫緊の課題であると考えます。  そこで、県は、今後の整備において、このような取り組みを積極的に行うべきと考えますが、御所見をお伺いします。  次に、ブドウの晩腐病の対策についてお尋ねします。  本年の梅雨の時期における降水量は、甲府で六百四十二ミリと観測史上最多を記録したほか、特に七月の日照時間は平年の四割しかなく、梅雨明けも統計開始以来四番目に遅く、八月にずれ込みました。  本県では、大規模な災害は発生しなかったものの、この記録的な梅雨は農業にも大きく影響し、特に桃やブドウなどの果樹の作柄が、この天候に大きく左右されております。  七月が収穫最盛期の桃では、日照不足による果実の着色不良により、出荷量が減少し、水稲では、いもち病が発生したほか、本県農業の柱であるブドウでは、巨峰、ピオーネといった黒系の品種に晩腐病が多発し、収穫量が大きく減少した生産者もいました。  こうした中、先月二十四日、甲府市選出の自民党県議会議員は、地元市議会議員とともに、県、市、JAに同行いただき、甲府市内のブドウ園において現地調査を行うとともに、関係者との意見交換を実施いたしました。  生産者からは、「今までこれほど晩腐病が発生したことはなかった、発生してからは手の施しようもない」といった声が聞かれ、JAからは、出荷量が大きく減少したとの説明がありました。  これを受け、今月二日には、県内一出荷が早い甲府ブランドのブドウの生産量を維持していくための「ぶどう晩腐病対策に関する要望書」を県に提出したところであります。  例年にない梅雨の時期の降水量や日照不足が発生原因の一つと考えられますが、このように多発した原因を徹底して究明するとともに、それに基づく有効な対策を立て、実践していくことが、今後の生産安定に向けて極めて重要であります。  地球温暖化の影響により、今後も本年のような気象となる可能性があることも想定され、本県のブドウの生産安定、また生産者の所得確保には、気象に応じた適切な栽培管理が重要と考えます。  そこで、本年の晩腐病の発生を踏まえ、今後県としてどのような対策に取り組むのか、お伺いします。  次に、気候変動を踏まえた治水対策についてお尋ねします。  国連気候変動に関する政府間パネルの第五次評価報告書では、気候の温暖化は疑う余地がないこと、二十一世紀末までに、極端な降水が、より強く頻繁となる可能性が非常に高い地域があることなどが示されており、水災害の頻発化・激甚化への対応は待ったなしの状況にあります。  近年、全国的には、平成二十七年関東・東北豪雨を初め、毎年のように甚大な水災害が起こっており、本年七月にも熊本県の球磨川が氾濫し、高齢者施設の入居者が逃げおくれて亡くなるという痛ましい被害も発生しました。  球磨川は、本県を流れる富士川とともに「日本三大急流」の一つであり、人吉盆地の出口で水がたまりやすい状況は甲府盆地に類似し、また、甲府盆地を中心とした洪水浸水想定区域内には、本県人口の約三〇%が集中しているという報道もなされていることから、全く人ごとではありません。  「善く国を治める者は、まず水を治める」という言葉がありますが、これは、いかに治水が大事かを強調したものであります。  武田信玄公は、大氾濫を繰り返していた釜無川に、現在も立派に治水機能を発揮している信玄堤を築き、洪水の流れをコントロールして治世の根幹としたところです。  これまでの治水対策につきましては、河川管理者を中心として、河川改修などのハード対策やダムによる洪水調節、さらには逃げおくれによる被害をなくすためのソフト対策などに取り組んできました。  また、氾濫の危険性が特に高い区間における河道内の掘削や堤防強化対策、さらには河川情報の周知などのソフト対策について、平成三十年度から防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策として鋭意進めております。これらは、非常に効果的な対策であることを承知しております。  しかし、気候変動は、もはや気候危機といえる状況の中、こうした時代の災害に対応するためには、これまでの取り組みをさらに一歩進め、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生することを前提として、社会全体で被害を防止軽減させることが必要となってきていると考えております。  そこで、県では、気侯変動を踏まえ、どのように治水対策に取り組んでいくのか、お伺いします。  次に、教員の働き方改革についてお尋ねします。  現代社会は、情報通信技術の革新やグローバル化のさらなる進展など、激しく変化し続けています。こうした社会において、教育の果たす役割は極めて重要であります。  そもそも教育は人格形成を目指すものであり、幅広い知識と教養、豊かな情操と道徳心、健やかな身体を養うこと、すなわち「知・徳・体」を総合的に兼ね備えた人材の育成を目指すものであります。  私は、教育の担い手である教員の仕事は、子供たちの人格形成に大きな影響を与える非常にとうといものであり、教員は常にそのことを自覚し、教育に対する使命感と責任感を持って、子供たち一人一人に接しなければならないと考えます。  しかしながら、学校の抱える課題は年々複雑化・多様化しており、教員は、授業、生徒指導、成績処理のほかにも、多岐にわたる事務的な業務などに日々追われています。  文部科学省が平成三十年に公表した勤務実態調査によれば、小学校では月約五十九時間、中学校では月約八十一時間の時間外勤務をしており、教員の長時間勤務の実態が明らかになっております。  さらに、今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、学校再開後は、子供たちの検温、ドアノブ等の消毒などの感染予防対策も担うなど、教員の負担は増しております。  こうした状況において、子供たちの学びを充実するには、教員の勤務環境を整えることが重要であり、学校現場の業務効率化を推進し、教員が余裕を持って子供たちと向き合い、一人一人に、きめ細やかな質の高い教育を提供していくことが必要であると考えます。  県教育委員会では、平成二十九年三月に教員の多忙化改善に向けた取り組み方針を策定し、継続的にさまざまな取り組みを進めてきていると承知しております。  そこで、教員の多忙化改善に向けたこれまでの取り組み内容と成果についてお伺いします。  また、教員の働き方改革のさらなる推進に向けて、県ではどのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いします。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 3 ◯議長山田一功君)皆川巖君の質疑・質問が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。        (知事 長崎幸太郎君登壇) 4 ◯知事(長崎幸太郎君)皆川議員の御質問にお答えを申し上げます。  ただいまは、自民党誠心会を代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。  また、「大いなる意欲のあるところに、大いなる困難はない」との言葉を引用され、新たに就任された菅総理のかじ取りへの期待を示されました。  菅総理大臣は実務能力が極めて高く、今後、経済対策あるいは感染症対策、地方創生などに全力で取り組まれるとのことであり、本県としても、引き続き県政推進への支援を期待するとともに、最大限協力してまいりたいと考えております。  今後も、国政との連携をさらに深めながら、県民が豊かさと幸せを実感できる山梨を目指してまいりますので、一層の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。  初めに、ウイズコロナ・ポストコロナを見据えた移住・定住施策の推進についてであります。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークが一般化し、都市部と地方部双方に生活と仕事の拠点を持つライフスタイルである二拠点居住のニーズが急激に高まっており、本県としては、これを強力に推進すべきと考えております。  二拠点居住の推進に当たりましては、東京圏に隣接していながら豊かな自然環境を有するとともに、近い将来には、リニア中央新幹線が開業するなど、本県には他に類を見ない優位性があります。  加えて、グリーン・ゾーン構想の推進により、国内外から信頼をかち取ることが本県のさらなる強みとなると、このように確信をしているところでございます。  このため今後は、こうした強みを積極的にPRしながら、スタートアップ企業や団体を重点ターゲットとして、戦略的な政策パッケージを迅速かつ機動的・弾力的に展開してまいります。  その第一弾といたしまして、今回の補正予算におきましては、まず二拠点居住のきっかけ・出発点とも位置づけられるワーケーションにつきまして、ホテルや旅館の施設改修への助成や体験プログラムの造成を行い、地元観光事業者や旅行業者と連携しながら、受け入れの拡大を図ることなどを通じまして、二拠点居住につなげてまいります。  また、サテライトオフィス等として活用するための廃校舎や公民館、空き家などの改修経費への助成、小規模オフィスの移転や社宅の設置等に関する助成など、新たな支援策を展開しながら、二拠点居住の受け入れ基盤も強化・拡充いたします。  さらに、こうした支援策が着実に活用されるように、企業への説明会や意向調査、視察ツアー等を実施してまいります。  ウイズコロナ・ポストコロナを見据え、県庁一丸となって、山梨の未来像、将来像を描きながら、二拠点居住を強力に推進してまいります。  次に、自主財源の確保についてであります。  人口減少が深刻化し、財政状況が厳しさを増す中、リニア中央新幹線の開通効果の全県への波及や、富士山世界遺産の保全といった本県特有の地域課題、あるいは新型コロナウイルス感染症などの想定できない緊急事態にも機動的に対応し、持続可能な行政運営を図っていくためには、議員御指摘のとおり、財政面で過度に国に依存することなく、自主財源の確保に努めていく必要があります。  県におきましては、令和二年度に、全庁の財源確保対策を統括する資産活用室を総務部に設置するとともに、各部局の企画調整主幹等を構成員とする調整会議を開催してきており、全庁を挙げ、徹底的な歳出の削減と新たな歳入の確保の両面において、これまで以上に取り組みを進めていくこととしております。  まず、歳出の削減につきましては、先日開催した行政改革推進本部におきまして、各部局長に対し、事業の総点検を行い、廃止、縮小、簡素化など、見直しに取り組むよう指示をしたところであり、今後、聖域なき事業の見直しに取り組んでまいります。  また、歳入の確保につきましては、県税の徴収率向上や、未利用地の売却などの公有財産の有効活用を進めるほか、従前の手法にとらわれることなく、クラウドファンディングの活用など、さまざまな取り組みを進めてまいります。  さらに、御指摘のありました法定外税を初め、課税自主権の活用を図ることは、本県の財源確保にとりまして有益なものであります。  昨年、県議会からいただきました政策提言などを踏まえ設置した検討会におきましては、まず、本県の財政状況、地下水等に関する本県の事業などを確認し、その後、担税力や課税客体などについて、さまざまな観点から御議論をいただいております。  委員からは、広く薄く負担を求める観点から、営利目的の地下水の採水行為を課税客体とすべきとの意見がある一方で、ブランド力のある地下水を使った製品の付加価値に着目し、地下水を製造現場から移出する行為を課税客体とすべきとの意見もいただいております。  今後は、第四回検討会において指摘がありました産業界の実態を把握するための調査を行い、引き続き論点を整理しながら、検討を前に進めてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の再拡大に備えた病床確保についてであります。  新型コロナウイルスは、誰もが感染する可能性があり、蔓延期にあっても患者が安心して確実に治療が受けられる体制の構築が必要であります。  まず、病床や宿泊療養施設の確保についてですが、本年七月に新たに策定した病床確保計画に基づき、病院で二百五十床、宿泊療養施設で百室の確保に向けて取り組んでまいりました。  先月までに、入院患者用の病床は二百八十五床を確保済みであり、既にピーク時の想定患者数二百四十六人を上回る十分な水準と認識しておりますが、宿泊療養施設の追加の確保につきましても、適切に対応してまいります。  こうした病床の確保は、県内各地の十一病院に御協力をいただいており、これら全ての病院を重点医療機関として指定し、空床確保や設備整備などに必要な財政支援を強力に行ってまいります。  次に、通常医療との両立についてですが、重点医療機関におけます病床の運用に当たっては、患者数に応じて、四つのフェーズごとに順次必要な病床を稼働させるとともに、軽症者や無症状者で、重症化リスクが低い場合は、早い段階で宿泊療養施設へ移動していただくことにより、通常医療への圧迫を可能な限り回避してまいります。  このほか、周辺医療機関からの医師・看護師等の派遣や救急の疑い患者を受け入れる協力医療機関の設定など、一部の医療機関に過度な負担がかからないよう対策を進めてまいります。  次に、医療従事者へのメンタルヘルスケアについてであります。  新型コロナウイルス感染症への対応を初め、県民に適切な医療を提供していくためには、医療従事者の心のケアに向けた対策は喫緊の課題であります。  日夜、人の生死にかかわる医療現場の特殊性に鑑みまして、同じ経験などを有する医療従事者が早目に手を差し伸べ、心の傷や悩みなどを共有し、解決できるものは速やかに解決していく、これが精神的な負担を少しでも軽減していくために効果的であると考えております。  このため、県内の多くの医療機関へ医師を派遣している山梨大学と連携し、メンタルヘルスケアに関するサポート体制を構築することとし、所要の経費を九月補正予算に計上いたしました。  具体的には、医師・看護師などを対象に多くの医療機関に参加を呼びかける中で、メンタル不調の可能性がある同僚の見きわめ方や、対応する際の知識、技能などを習得するための研修会を開催いたします。  また、これまでの相談体制は、所属する医療機関内にとどまり、参考となる情報が限られていたことから、山梨大学が中心となって医療機関を横断するネットワークを構築し、幅広く事例を共有する中で、よりよい対応策の検討を進めてまいります。  次に、子供の死亡検証の推進についてであります。  子供の死亡症例を確実に検証し、予防策につなげるためには、まずは、死亡前の医療の提供状況や養育状況、死に至る直接の経緯など、幅広い情報を得ることが不可欠であります。  このため県では、死亡事案にかかわった多くの関係機関の協力体制を構築する必要があると考え、昨年八月、全国に先駆けて医療従事者や警察、教育、福祉などの行政機関で構成する検討会を設置し、取り組みへの理解を深めながら、情報の共有や連携のあり方などについて検討を重ねてまいりました。  また本年度は、国のモデル事業における個人情報の取り扱いに万全を期すため、個人情報の取り扱い基準を作成し、関係職員への徹底を図るとともに、さまざまな情報を収集し、一元的に管理する必要があることから、その手順や様式を定めた実施要綱を作成するなど、事業の円滑な実施に向けた環境整備を進めてきたところであります。  今後は、医療従事者や司法関係者などの専門職や有識者をメンバーとする個別事案の検証委員会を今月にも立ち上げた上で、死亡した子供一人一人の情報の詳細な分析、検証に着手し、悲しい死を繰り返さないための効果的な予防策の検討を行ってまいります。  また、本モデル事業を実施する中で生じた課題等を整理し、国にフィードバックするなど、早期にチャイルド・デス・レビューが制度化され、本県はもちろん、全国において一人でも多くの子供の死亡が防げるよう鋭意取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症影響下における雇用の維持についてであります。  県内経済は現在、未曽有の危機に直面しており、このような中、雇用を維持していくためには、まずは企業に対し、十分な経営支援を行う必要があります。  このため県では、信用保証料ゼロ、当初三年間実質無利子の特別融資を初めとする経済変動対策融資の融資枠を過去最大となる二千七百億円にまで大幅に拡充することとしており、資金繰りの支援を通じて、企業の経営の安定化を図ってまいります。  特に、状況が悪化している宿泊業・飲食サービス業につきましては、金融支援に加えてグリーン・ゾーン認証を強力に進めているところであり、県のお墨つきにより、施設に利用者が戻り、事業者の業績の回復につながるよう、一層の普及に取り組みます。  また、国の支援制度を最大限活用するため、雇用調整助成金や休業支援金などに関する相談対応や、社会保険労務士による申請サポートを実施しており、必要な方全てに支援が届くよう取り組んでまいります。  さらに、議員御指摘のとおり、雇用の維持のためには、人手が余っている企業と人手が不足する企業を結びつけることが効果的であることから、異業種間の出向制度、いわゆる雇用シェアを促進することとし、所要の経費を九月補正予算に計上いたしました。  具体的には、県が県内企業に対して、人材の過不足や出向のニーズに関する調査を実施し、この結果を踏まえ、企業間の出向などを支援している公益財団法人産業雇用安定センターと連携し、企業間の個別マッチングを図り、解雇者の増加防止に努めてまいります。  県として、県内経済の安定化・反転攻勢に向け、あらゆる施策を出動し、産業全体の底上げを図り、雇用の維持に全力で取り組んでまいります。  次に、水素・燃料電池関連施策の推進についてであります。  まず、移転の効果についてですが、FC─Cubicは、国内を代表する燃料電池の評価解析機関であることから、素材研究で世界的業績を持つ山梨大学などとあわせ、本県は研究機関において全国最高の優位性を確立できるものと考えております。  具体的な移転先としては、企業局が甲府市米倉山に計画する研究開発施設への入居を予定しており、従来の研究施設とともに、社会実装を指向した類例のない研究開発拠点を形成し、水素の製造、貯蔵、活用まで一気通貫の取り組みの充実を図ってまいります。  また、産業振興に向けましては、FC─Cubicによる技術的助言が受けられるほか、最新研究成果が得られる技術交流会などが身近で行われるため、高度な知見が県内企業にももたらされ、関連産業への参入が一層促進されるものと考えております。  さらに、FC─Cubicは、全国の企業、大学等の研究者をつなぐハブ機能を充実させ、セミナーなどの開催機会をふやす意向があることから、本県に優秀な研究者が集結し、交流するオープンプラットフォームが構築され、リニアやまなしビジョンが描くテストベッドの聖地化の最適な先例になるものと期待をしております。  次に、本県の取り組みの対外的なPRにつきましては、議員御指摘のとおり、アピールが必要であると考えており、水素・燃料電池といえば山梨と多くの方に認識していただけるよう、産業系新聞の広告掲載、あるいはメディア向けツアー、国際展示会への山梨ブースの設置に早急に取り組むこととし、所要の経費を九月補正予算に計上いたしました。  今後も、水素社会の実現で、世界に貢献する山梨を目指し、関連施策の一層の充実を図ってまいります。  次に、コロナ禍を乗り越えるための観光施策についてであります。  本県観光産業は、未曽有の国難といわれる新型コロナウイルスの影響によりまして、壊滅的な打撃を受けており、本年二月から八月までの観光消費額は、推定で前年に比べ二千六十四億円の減少となりました。  観光産業が、こうした危機的状況を乗り越えるためには、まずは回復基調で推移している日本国内の観光需要を確実に取り込むとともに、外国人観光需要が回復するまでの周到な準備が重要であります。  超感染症社会におきましては、感染防止対策が徹底された安心と信頼がブランド価値となり誘客につながることから、県内全域にグリーン・ゾーン構想を浸透させ、認証施設の増加促進に努めてまいります。  また、新たな観光形態において観光消費額を増加させるためには、単価の引き上げが不可欠であることから、観光産業全体の一層の高付加価値化を推し進めることとしており、今後、本県のさまざまな観光資源を磨き上げていく必要があります。  このため、本県が誇る山や湖が育んだ豊かな自然や、四季折々の景観などを最大限に活用した、三密にならないアウトドア・アクティビティの充実や、これまでは観光資源として必ずしも十分な活用が図られてこなかった文化芸術施設や神社仏閣、歴史的価値のある文化財などを核とした、新たな文化観光モデルの創出にも取り組むこととしております。
     加えて、食も重要な観光コンテンツであることから、県内気鋭の料理人の方々と生産者との交流を後押しするとともに、食文化と観光の連携強化を図り、本県オリジナルの美食ブランドの創造を目指してまいります。  さらに、外国人観光客への対応につきましては、入国規制の緩和を見据えながら、観光資源の解説を多言語化するなどの受け入れ準備を進めるとともに、ウイズコロナ社会に対応したデジタルプロモーションを企画するなど、他県に先駆けた誘客に努めてまいります。  こうしたさまざまな施策を計画的かつ速やかに実施することにより、県内観光産業の高付加価値化を図り、コロナ禍を乗り越えられるよう、全力で取り組んでまいります。  次に、甲府城の整備と活用についてであります。  甲府城跡は、本県の貴重な文化資源であるとともに、観光資源としても大きな可能性があることから、緑豊かで風格ある歴史景観と都市景観が調和した、にぎわいのある空間づくりが必要であると考えております。  県民会館跡地のお堀の復元につきましては、甲府市と策定した甲府城周辺地域活性化実施計画に位置づけており、人が集い、憩える広場としての機能に配慮しながら、整備を行うこととしております。  歴史的建造物の復元につきましては、文化財の価値を伝えるとともに、観光資源としての一層の活用を促す有効な手段であることから、今後も、精度の高い根拠資料の調査研究も踏まえながら、可能性を探ってまいります。  また、こうした整備の指針を示す整備基本計画の策定に当たりましては、県内外から多くの方々に訪れていただけるような甲府城跡とするため、文化観光の振興の分野において、グローバルに活躍する民間有識者の御意見もいただくこととしております。  いずれにいたしましても、甲府城跡につきましては、歴史的価値を十分に踏まえながらも、今日そして将来における県民に対し、より大きな価値を創出・提供していけるよう活用を図っていく観点から整備を進め、甲府市や地元商工団体など、さまざまな関係機関と連携・協働して、中心市街地のにぎわいの創出につなげてまいります。  最後に、ブドウの晩腐病の対策についてであります。  ブドウの晩腐病につきましては、六月、七月の記録的な長雨の影響により、昨年まで発生が少なかった早場産地を初め、県下各地で発生を確認しており、現在、県では、その状況や薬剤防除、カサかけ・袋かけ等の管理につきまして、農務事務所がJAと連携して調査を実施しております。  ブドウは標高や地域により生育差があり、感染時期にも差があることから、調査結果と気象状況等について、あらゆる面から分析・検討し、本年の発生要因を究明するとともに、来年に向け地域別に防除マニュアルを作成し、きめ細かな指導を実施してまいります。  また、晩腐病は、ブドウの生育期の降雨によって感染をするため、将来の降水量が多い年に備えた恒久的な対策として、簡易雨よけ施設の導入について、国の補助事業等も活用し、積極的に推進してまいります。  あわせて、今回のような病害虫の発生のみならず、農業者みずからが、自然災害や市場価格の下落等のリスクにも備えることができる収入保険への加入も、さらに進めてまいります。  今後とも、JAや市町村と連携し、異常気象などのリスクに対応した防除対策の徹底や施設化の推進により、生産の安定を図り、全国一のブドウ産地の維持・発展に向け、鋭意取り組んでまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長からお答えをいたします。 5 ◯議長山田一功君)福祉保健部長、小島良一君。        (福祉保健部長 小島良一君登壇) 6 ◯福祉保健部長小島良一君)皆川議員の高齢者の口腔機能の維持向上についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、誤嚥性肺炎など高齢化に伴い増加する疾病や、ウイルス感染症を予防するとともに、要介護状態となるリスクを軽減するためには、口腔内の健康を保つことが重要であります。  このため、県では、八月から県歯科医師会と連携し、高齢者だけでなく十八歳以上の県民を対象に、歯の健康状態の確認や口腔衛生指導を行う無料の歯科検診を実施しております。  特に、高齢者に対しては、日常的に口腔ケアに取り組んでいただけるよう、嚥下機能の低下を予防する体操や、適切な口腔衛生管理の具体的な手法を紹介したDVDを作成し、十月には、市町村や地域包括支援センター、介護施設などに配布することといたしております。  さらに、高齢者が要介護状態とならないためには、介護予防事業においても口腔ケアの取り組みを強化する必要があることから、専門的な知識を有する歯科衛生士を、新たにオーラルケアリーダーとして養成し、市町村へ助言を行うなど、県、市町村、県歯科医師会などが一体となって、高齢者の口腔機能の維持向上に取り組んでまいります。  以上でございます。 7 ◯議長山田一功君)県土整備部長、大儀健一君。        (県土整備部長 大儀健一君登壇) 8 ◯県土整備部長大儀健一君)皆川議員の気候変動を踏まえた治水対策についての御質問にお答えします。  本県では、多くの急流河川が流れ込む甲府盆地を初め、各地で繰り返し水害に見舞われてきたことから、流域の安全・安心の確保を最重要課題の一つとして、治水対策を進めているところであります。  一方、近年、洪水氾濫による甚大な被害が全国でたびたび発生し、気候変動による水災害リスクが増大していることから、河川管理者による対策のみならず、流域のあらゆる関係者が協働して、洪水から生命と財産を守る流域治水へ転換してまいります。  流域治水は、中小河川において進めることも必要でありますが、まずは、県内人口の約八割が集中し、日本三大急流の一つである富士川水系から取り組むこととし、今月九日に、国や市町村とともに協議会を設置したところであります。  協議会では、河川管理者による河道拡幅などの対策を整理するとともに、河川以外における対策メニューの洗い出しを行い、年度内にプロジェクトとして取りまとめ、来年度以降に具体的な検討を行う予定としております。  また、県では、対策メニューを、より実効性のあるものにするため、雨水を一時的に貯留する施設の整備やリスクの低い地域への誘導など、さまざまな対策について、相模川水系や多摩川水系も含め、流域の特性を踏まえて技術的な課題や必要となる制度を検討してまいります。  以上でございます。 9 ◯議長山田一功君)教育長、斉木邦彦君。        (教育長 斉木邦彦君登壇) 10 ◯教育長斉木邦彦君)皆川議員の教員の働き方改革についての御質問にお答えします。  教員の多忙化の改善は、県としても重要かつ喫緊の課題として捉えております。  まず、今般の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、消毒作業等の負担増に対しましては、学校関係者の意見を聞きながら、スクールサポートスタッフの配置など、教員の負担軽減を図っているところです。  これまで県では、教員の多忙化改善に総合的、計画的に取り組むため、教員の多忙化改善に向けた取り組み方針を初め、部活動のガイドラインあるいは教員の在校等時間の上限等に関する方針を策定しながら、学校における働き方改革を進めてまいりました。  各学校では、取り組み方針に基づいた業務の改善や、「きずなの日」の設定による、子供と向き合う時間の確保などに取り組んでおります。  この結果、昨年度は、例えば会議等の効率化では約九七%、学校行事の見直しでは約九〇%の学校が「達成できた」または「ある程度は達成できた」と回答しており、一定の成果が得られております。  また、各学校への統合型校務支援システムの導入を促進し、教員の事務負担の軽減や勤務時間の客観的な把握等に努めております。  次に、今後の取り組みについてですが、現行の取り組み方針は本年度が最終年度となることから、現在、新たな方針の策定に向けて、勤務時間を意識した働き方や、部活動における指導体制などの観点から、検討を進めております。  県としては、引き続き、教員の多忙化改善に積極的に取り組み、学校における働き方改革を進めてまいります。  以上でございます。 11 ◯議長山田一功君)当局の答弁が終わりました。  皆川巖君に申し上げます。再質問はありませんか。皆川巖君。 12 ◯皆川 巖君 大体おおむね前向きの回答をいただいたと思いますが、特に委員会等におきまして、甲府城の整備につきましては、今までの委員だけでなくて、幅広く民間からの人たちの意見もとり入れるというような回答を、非常に前向きな回答だなというふうに思っておりますが、しかし、歴史的建造物の復元なんかにつきましては、今までと違いまして、本丸櫓とか数寄屋櫓の古写真が出てきている状態なんですね。  そういう段階なのに、いまだにその可能性を探るなんていうことを言っているようだと、全然前進がないなというように先生方はおっしゃいますので、ここは一つ、そろそろ具体的な検討段階だというふうに思っていただいて、現時点で今までの文化行政と違って、平成三十年代には文化財保護法が改正されたり、また、最近四月に文化観光振興法が制定されたりしておりまして、今までの考え方とは全然違う考え方になっていると思います。  それはやっぱりどういうことかというと、観光と、そういう歴史的な資源を結びつけようという考え方が主流になってきているんじゃないかなと思うんですね。  菅総理大臣も、役所の縦割りとか既得権益とか、そしてあしき前例を打破するというようなことを言っておりますので、改革を進めるという流れの中から考えると、やっぱり従来の保存、維持という固定した考え方、その前例を打破していただいて、もっと積極的に観光行政を進める上でも、こういう歴史的資料というものを活用していただきたいというふうに思うわけであります。  そこで、古写真が現存している今の数寄屋櫓とか本丸櫓につきまして、本当にその復元、整備に対してどういう気持ちでいるのか、もう一度再度御答弁をいただきたいと思います。 13 ◯議長山田一功君)観光文化部長、中澤宏樹君。        (観光文化部長 中澤宏樹君登壇) 14 ◯観光文化部長中澤宏樹君)皆川議員の再質問にお答えいたします。  甲府城跡における歴史的建造物の適切な復元は、歴史的価値や当時を体感することだけではなく、観光振興にも資する有効な手段でありますし、特に県都甲府市の中心地に位置することから、多くの方々に訪れていただくことで、中心市街地の活性化にも、大いに役立つものと考えております。  一方、本丸櫓などは、写真等は確認されておりますが、謝恩碑建設に伴います進入路工事によりまして、櫓台の石垣や基礎が除去されていること、また、建物の意匠や形態を示す絵図が発見されていないので、現状では今すぐ復元というのは、なかなか難しい状況にあると考えております。  しかし、最近、石川県の金沢城跡や静岡県の浜松城跡で、歴史的建造物の詳細がわかる絵図が相次いで発見されておりますので、本件でも復元に必要な根拠資料について、全国に情報提供を呼びかけ、調査を続けながら、復元の可能性というものを、しっかり検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 15 ◯議長山田一功君)皆川巖君に申し上げます。再質問はありませんか。皆川巖君。 16 ◯皆川 巖君 今の答弁は進んだのか進まないのかよくわからない答弁なんですけれども、先日八月二十六日に、萩生田文部科学大臣のところに、甲府市選出の県議会議員五人と要望活動に行ってまいりましたけれども、その際、古写真が存在するなら、櫓の復元については、しっかりやりたいと、応援してやりますよという、萩生田文科大臣みずからそういうエールを送ってくれました。  そういう中で、何かむしろ中央のほうが進んでいるんじゃないかと。山梨県の学術文化財課というか、非常に頭がかたくておくれているなという印象を持ちましたけれども、再度、その辺をもう少し答えていただきたい。 17 ◯議長山田一功君)観光文化部長、中澤宏樹君。        (観光文化部長 中澤宏樹君登壇) 18 ◯観光文化部長中澤宏樹君)皆川議員の再質問についてお答えさせていただきます。  本年四月に国の文化審議会で、史跡等における歴史的建造物の復元に関する基準の見直しを行った際に、幾つかの再現事例等、それからこういう事例がいい、こういう事例が悪いというようなお話をいただいております。  その中で、意匠とか形態が全くわからないままに再現するのは、なかなか難しいというようなことを言われておりますので、今後しっかりそういう部分についての資料発見の可能性がまだまだあると考えておりますので、それをしっかり調査して、復元に向けて検討を進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  以上でございます。 19 ◯議長山田一功君)これをもって、皆川巖君の代表質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後二時十五分休憩       ───────────────────────────────────────                                          午後二時三十五分再開議 20 ◯議長山田一功君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  発言の通告により、望月勝君に四十分の発言を許します。望月勝君。        (望月 勝君登壇)(拍手) 21 ◯望月 勝君 私は、自民党誠心会を代表し、今定例県議会に提出されました案件及び県政一般について質問いたします。  まず質問に先立ち、この場をおかりして、今夏、全国で豪雨や台風により被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。  あわせて、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々とその御遺族の皆様に、謹んで哀悼の意を表するとともに、今なお治療中の方々が一日も早く御回復され、日常を取り戻されることをお祈りいたします。  先日、本県から医療体制の逼迫する沖縄県に対する人的支援として、県立中央病院から三森寛士さんと有泉凱さんの二名の看護師さんが派遣されました。  彼らを初めとして、新型コロナウイルス感染症との闘いの最前線で御尽力なさっている多くの方々に対し、心から敬意を表し、感謝申し上げるところであります。  翻って我々には、不確実な時代だからこそ、不寛容に陥らないこと、現場で懸命に働く方々や不幸にも感染者となった方々に差別や偏見なく向き合うことが強く求められているものと考えます。  さて、長崎知事におかれましては、新型コロナウイルス感染症対策に犬馬の労をとられ、超感染症社会実現に向けた、全国でも類を見ない先進的な取り組みを行っておられます。  県民の日常を支える施策を機動的に実施されていることに、改めて敬意を表するところであります。  「断じて行えば鬼神も之を避く」と申します。今後も長崎知事の強いリーダーシップのもと、本県が前進できるよう祈念し、質問に入ります。  まず、グリーン・ゾーン認証制度についてであります。  今や現代社会における最大の脅威となっている新型コロナウイルスの国内感染者数は七万人を超えて、なおふえ続けている一方、ワクチン開発による早期収束は見通せない状況であります。  長崎知事は五月十九日に記者会見し、感染症に強い社会を目指す、やまなしグリーン・ゾーン構想を発表されました。  当時は、東京を中心に依然として緊急事態宣言が継続しており、国全体としては経済活動の自粛と引きかえに感染拡大を押さえ込んでいるような状況でありました。  しかし、知事はこの時点で既に先々を見通し、新型コロナウイルスにとどまらず、将来、未知の感染症への対応を余儀なくされる事態が生じた場合においても、県民の生命と経済を両立しつつ不断に前進し続けることができるよう本県を変えていくと、この構想でうたい上げたのであります。  感染症の蔓延防止と社会経済の継続を両立させていくに当たり、最も大切なことは、経済活動の主体である事業者がしっかりと施策を講じ、その実効性が適切に担保されていることと考えます。  知事は、緊急事態宣言が解除された後も、県民や事業者に対する協力要請を継続され、休業要請を行っている業種を対象に、県内の業界団体などが感染拡大を予防するガイドラインを作成し、これを遵守している施設については、個別に休業要請を解除する仕組みを導入しました。  そして、新型コロナウイルスにより、大きな打撃を受けている飲食・宿泊事業を支援するため、利用者に安心と信頼を提供するグリーン・ゾーン認証制度を創設し、現地調査を踏まえて県みずからが認証を行うという、全国一厳格ともいえる取り組みをスタートさせました。  他県においても類似の仕組みはありますが、多くは事業者のセルフチェックにとどまり、感染症対策をとっていたとされる店舗でクラスターが発生するなど、逆に利用者の不信感が増すのではないかと懸念しております。  経済活動の前提が利用者の安心と信頼の確保であることを考えれば、本県の取り組みはまさに王道であり、多くのメディアに取り上げられ、注目が高まったのは当然であります。五月に構想を発表して以来、無類の早さで制度を構築し、認証件数は既に七百件に達しているとのことであります。  しかし、県内には、いまだ多くの事業者がいらっしゃいます。グリーン・ゾーンの旗印のもと、誰もが安心して外出し、行動することができるよう、この制度の一層の浸透を進めるとともに、この制度を県内外の方々に知っていただき、認証を受けた施設を大いに使ってもらえるよう、さらなる取り組みが必要と考えます。  そこで、グリーン・ゾーン認証制度の周知とともに、県の内外を問わず、より多くの方々に認証施設を利用していただくよう取り組みをどのように進めていくのか、御所見を伺います。  次に、高齢者施設における新型コロナウイルス対策についてであります。  新型コロナウイルス感染症は、六月下旬以降、大都市部を中心に再び感染が拡大、その勢いは全国各地に波及し、高齢者施設における感染事例も相次いだところであります。
     介護サービスの提供に当たっては、密接を避けることは困難であり、高齢者は重症化リスクが高いことや、集団で生活する施設では、一たび感染が発生すると、クラスター化するおそれがあることから、高齢者施設における感染防止対策は特に重要と考えます。  新型コロナウイルス感染症の発生以降、施設においては、感染防止対策としてマスクの着用やアルコール消毒、検温、面会の制限など、さまざまな感染防止対策を講じておられます。  しかし、こうした中においても、八月には甲府市内のサービスつき高齢者向け住宅において、最大のクラスターとなりました。  感染の終息が見通せない状況下において、高齢者施設では、サービスを提供する職員の不安や緊張感、感染防止対策への負担が、今まで以上に高まっているのではないでしょうか。  県では、これまで、高齢者施設に対し、マスクや使い捨て手袋、アルコール消毒液などの衛生物品を購入・配布したほか、関係団体と職員の相互派遣に関する覚書を締結し、施設で感染が発生しても、サービスを継続するための体制を構築するなど、さまざまな支援を行ってきたことは承知しております。  しかしながら、今後、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行も懸念され、感染防止のため、一層の警戒を行う必要があると考えます。  そこで、高齢者施設の感染防止対策に関する県の取り組みについて伺います。  次に、秋冬に向けた検査体制のさらなる拡充についてであります。  これまで、本県は、新型コロナウイルス感染症の早期発見・早期治療に向けて、積極的な姿勢で検査に臨んできたと承知しております。  全国に先駆けて、保健所への相談基準を緩和したほか、七月には、接触確認アプリで通知があった場合には、症状の有無にかかわらず全員を検査可能とする方針を示されました。  いずれも、その後に国の対応が本県に追随しており、先手を打った取り組みは、大いに評価しておりますが、不断の見直しを行うことで、さらに盤石な検査体制を構築すべきと考えます。  最近の感染状況を見ると、八月だけで七十六名の患者が発生しましたが、最大の要因は、サービスつき高齢者向け住宅などでクラスターが発生したことにあります。  重症化しやすい高齢者への感染そのものをまず回避すべきですが、ケアが必要な入院患者がふえることで病院が逼迫する、職員が出勤停止となることで施設の運営自体がとまってしまうといった事態となれば、その影響も重大であります。  こうした集団感染を防ぐためには、いち早く連鎖の芽を摘むことが重要であり、私は、外部との接点が多い施設職員に対して、早期に検査ができる仕組みが必要だと考えます。  一方で、県内には数万人に及ぶ職員や入所者がいる中で、無症状者まで含めて全員に定期的に検査することは現実的とはいえません。  そこで、高齢者施設など集団感染により、重大な影響が生じる施設の職員に対して、どのように検査を実施していくのか、伺います。  また、検査体制が充実している本県であっても、秋以降のインフルエンザの流行期を見据えると、大勢の発熱患者が病院に押し寄せ、外来が逼迫することは容易に想像できます。  政府は、季節性インフルエンザの流行に備えて、身近な医療機関で発熱患者を診療・検査できる体制を整備する方針を明らかにしました。  現在、本県では二十の病院に設置された帰国者・接触者外来を中心に診療や検体採取を行っていますが、現場からは、患者の急増に対処し切れるか、不安の声も聞いております。  私は、地域のかかりつけ医の協力が不可欠ではないかと考えますが、秋以降に向けて、どのように診療や検査の体制を確保していくのか、伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症に関する在住外国人への対応についてであります。  今般、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための新しい行動様式の実践や、生活資金のための特別定額給付金等の経済的支援など、さまざまな対策が矢継ぎ早に実施されております。  これらの対策の中には、多言語による周知が行われるまでに時間を要したものがあり、支援内容や申請方法がわからず、不安を抱き続けた外国人の方が多かったと聞いております。  また、学校の臨時休校期間中、外国籍の保護者の方からは、登校日や学校再開日などに関する情報が、日本語でしか得られなかったため、みずからの勤務予定を決められず不便な思いをしたとの声もありました。  日本人であれば、新聞や行政からの通知などにより、即座に得られる情報であっても、在住外国人においては、外国人コミュニティーを介した口コミによるものが多く、正確な情報が伝わらず、伝達に時間がかかることがあります。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、外国人だからといって、置き去りにされるようなことがあってはならないと私は思います。  法務省の在留外国人統計によると、昨年十二月末現在で、県内の在留外国人数は全人口の約二%を占め、九十二カ国からの外国人が、県内の全ての市町村で生活しており、その数は年々増加しております。  一方、今後、生産年齢人口割合の大幅な減少による経済活動への影響が懸念される中、在住外国人は、地域や職場における新たな担い手として、大きな期待が寄せられています。県では、本年二月、全国に先駆け、やまなし外国人活躍ビジョンを策定し、在住外国人の方々が安心して働き、暮らせる環境づくりを進め、外国人から選ばれる県を目指しているものと承知しております。  「まず隗より始めよ」と申します。今現在山梨県に在住されている外国人の方々への対応が外国人から選ばれる県へとつながるものと考えます。  コロナへの対策につきましても、国籍にとらわれることなく、誰もが安心して暮らせる山梨県の実現を目指すべきと考えますが、新型コロナウイルス感染症に関する在住外国人への対応について、県の取り組みを伺います。  次に、災害時の電力確保対策についてであります。  全国各地で気象災害が激化しており、ことしの環境白書では初めて気象危機という言葉が用いられております。  昨年九月に関東地方を直撃した台風十五号では、千葉県で長期間にわたる大規模な停電が発生し、住民生活や経済活動に重大な影響があったことは、いまだに鮮明に記憶に残っているところであります。  この際、強風による倒木が多数の電柱を損壊させたことが停電の長期化の大きな要因として挙げられておりますが、県土面積の約八割を森林が占める本県においても、同様の事態が発生するのではないかと懸念しております。  特に、所有者による手入れが行き届かない民有林においては、枝が伸びて電線の支障になっている樹木や根の張りが浅く、強風に耐えられるのかと不安に感じる樹木が散見されます。  電力の安定供給は、電力会社の責務でありますが、昨年の千葉県の状況を目の当たりにしたとき、一たび大規模な停電が発生すれば、県民の生活などに与える影響は、はかり知れないため、県のリーダーシップのもと、事前の予防や早期復旧に向けて、必要な対策を講ずるべきであると強く感じたところであります。  知事におかれては、こうした課題にいち早く着眼され、二月議会において、災害時の電力確保に向けた検討を進める方針を示されたことから、私は、その具体化について大変関心を持って見守っていたところであります。  こうした中、県は、先月、災害時における本県の電力供給インフラの強靱化を図るため、その具体的な対策を取りまとめた山梨県電力供給体制強靱化戦略を策定されました。戦略の策定は、東京電力管内の都県では初めての取り組みとのことであり、高く評価するものでありますが、まず、その概要について伺います。  また、戦略に掲げた対策を着実に実行し、県民の安心・安全な生活を確保するためには、電力会社はもとより、荒廃した民有林の整備や地域の災害対応業務を担う市町村を強力に巻き込んで、関係者が連携して対策を進めることが極めて重要と考えます。  そこで、県はこの戦略の推進に向けて、どのように取り組んでいくのか、あわせて伺います。  次に、林業の担い手育成機関の設置についてであります。  本県の県土面積の約八割を占める豊かな森林は、木材の生産を初め、災害の防止、水源の涵養、地球温暖化の防止、保健休養などの多面的機能を有し、県民にさまざまな恩恵をもたらしています。  また、戦後から高度経済成長期に植林された人工林の多くは、本格的な伐採時期を迎えています。この充実した森林資源を有効に活用して、林業の成長産業化を実現するため、県では、本年三月に策定した、やまなし森林整備・林業成長産業化推進プランにおいて、令和十一年度の年間木材生産量を、現在の一・七倍とする目標を掲げ、伐採後の確実な再造林の実施など、伐る、使う、植える、育てる、といった森林資源の循環利用を進めることとしています。  私は、こうした取り組みの中心となるのは、現場で木材生産や森林整備を行う林業経営体であると考えます。林業経営体が、今後増大する事業量に対応して、森林施業の効率化や、高性能林業機械を活用した木材生産の低コスト化などにより、林業の生産性を向上していくためには、これを支える高度な知識と技術を有する担い手の確保・育成が急務であります。  しかしながら、新規就業者は減少傾向にあり、林業の技術は、植林から伐採まで幅広く、一人前になるまでには多くの時間を要するなど、これまでのような現場作業を通じた育成にも限界があります。  全国の取り組みに目を向けますと、十九道府県において、就業前に林業の知識や技術を習得する林業大学校などの担い手育成機関が設置され、多くの若者を林業への就業につなげております。  私は、かねてから、森林県である本県こそ、こうした担い手育成機関を早急に設置することが必要であると考えており、林業関係団体からも強い要望をいただいておりました。  こうした中、県立農業大学校に林業に関する学科を新設すると伺い、大変喜ばしく、本県の林業を成長産業化していく上での大きな力となるものと期待しております。  本県の林業を担う人材の育成に当たっては、専門的な知識や技術に加え、森林所有者への森林施業の提案など、森林経営における幅広い能力を身につけるための教育を効果的に行っていく必要があります。  そこで、県では、新設する学科において、どのように担い手の育成に取り組んでいくのか、伺います。  次に、農業の担い手確保・育成についてであります。  本県では、地域の栽培条件に応じて、主力となる果樹を初め、野菜、水稲、畜産など、生産性の高い特色ある産地を形成してきました。  農業の担い手の確保・育成は、こうした産地の維持拡大や本県農業の一層の振興だけでなく、本県への移住・定住の促進の観点などからも重要であると考えます。  県は、就農定着支援制度推進事業など、これまで新規就農者の確保に向けたさまざまな支援を実施され、その結果、四年連続で三百人を超える新規就農者が確保されたと承知しております。  私の地元、峡南地域においても、少ない人数ながらも、特産であるお茶栽培に取り組む新規就農者や高糖度で高品質な施設トマト栽培に取り組む農業法人などが、地域農業の重要な担い手となっております。  しかしながら、農林業センサスによると、平成二十七年の本県の農業就業人口は、五年前に比べて約一七ポイント減少しており、また全国に比しても高齢化が進行していることから、農業の担い手の確保・育成は喫緊の課題であります。  一方、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大により、東京一極集中から地方分散へと潮流の変化が見られる中、新しい働き方を求めて、地方への移住を希望する人が増加することが想定されます。  担い手の高齢化等による労働力不足が課題となっている農業分野において、コロナ関連の失業者や東京圏からの移住を考えている方々に対して、本県への移住・定住とあわせて、農業の担い手として、農業分野での就業を働きかけていくことは重要と考えます。  こうした中、七月に閣議決定された骨太の方針では、新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中、国内の生産基盤を維持・強化していくため、引き続き多様な担い手の育成・確保などを推進していくこととされており、本県としても、担い手の状況に応じた、きめ細かな対応を行っていくことが重要であります。  そこで、本県の農業生産の維持・発展を図るため、県では、農業の担い手確保・育成に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、農泊の推進についてであります。  農泊は、旅行者の農山村地域での滞在時間を延ばしつつ、滞在中に食事や体験など地域資源を活用したさまざまな観光コンテンツを提供して消費を促すことにより、地域が得られる利益を最大化する取り組みとして全国的に注目されております。  国が平成二十八年三月に策定した、明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、農泊の推進が打ち出され、これを契機に、全国の農山漁村地域において、新たな取り組みが進められております。  本県では、収穫時期になると観光果実園が開設され、収穫体験や新鮮な果物を目当てに、県外から多くの観光客が訪れていますが、宿泊に至る方が少ない状況であります。  このような中で、私の住む峡南地域においても、古民家を改修して宿泊施設として活用したり、みのぶ自然の里を拠点に、あけぼの大豆の枝豆収穫体験や身延山久遠寺の朝のお勤め見学等をコンテンツとした、宿泊を伴うさまざまなツアーが開催されたりするなど、農泊を推進する気運が高まっております。  一方、先月の県の発表によると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、本年上半期における本県の延べ宿泊者数は前年同時期と比べ六割以上の減、外国人観光客に至っては、各国による渡航の制限などにより七割以上の減となっております。  一月から五月までの農泊利用者についても、全国的に前年同時期と比べ半減しているとの報道もあり、非常に危惧しているところであります。  私は、農泊の取り組みは、農山村地域の活性化と関係者の所得向上に資するとともに、都市住民の農村への理解促進にも一役買う重要な取り組みであると考えておりますが、今後は、ウイズコロナ・ポストコロナの新しい動きを踏まえながら、農山村地域の誘客を促進するため、地域資源の掘り起こしや地域間のネットワーク強化などの取り組みも必要と考えます。  そこで、今般の新型コロナウイルス感染拡大等の情勢を踏まえ、県では農泊のさらなる推進に向けて、どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、農福連携のさらなる推進についてであります。  農福連携は、障害のある方々の働く場と収入を確保するとともに、農家の労働力不足の解消や農村地域の活性化にもつながる取り組みであり、私は、かねてから大きな関心を寄せておりました。  平成三十年四月に設置された県の農福連携推進センターにおいては、福祉施設と農家との仲介が進められ、先月までに八十五件のマッチングが成立し、多くの障害のある方々の農業に携わる機会が創設されました。  また、昨年度からは農産物の品質向上や農作業のスキルアップを図る講習会、農福連携商品を一堂に集めたマルシェの開催など、段階的に支援を拡充しており、障害のある方が生産から加工、そして販売までを一貫して担う基盤が確立してきているものと評価しております。  先日私は、農福連携により生産された商品の販売会を視察する機会を得ましたが、障害のある方々が、みずから丹精込めて生産した野菜や果物などを、生き生きと販売している様子を拝見しました。  商品の中には、施設の収穫物を使ったパンやクッキーなどの魅力的な加工品が目を引き、関係者の皆様の創意工夫と情熱が注ぎ込まれていると大変感銘を受けたところであります。  また、農産物を加工する過程では、屋外での作業が困難な方も、果物の乾燥やクッキーづくりなど、屋内での作業に携わっていただくことができ、施設の利用者全体に就労機会を提供できる利点があります。  このように、障害のある方々が、それぞれの特性を生かしながら、みずからに適した作業に従事することで一層熟練度が増し、魅力ある商品が次々と生み出され、販売されるようになってきていると実感しております。  障害のある方が夢や希望を持って地域で自立した生活を送るためには、就労を通じた社会参加を実現することが重要であり、工賃の向上により、その経済的基盤を支える必要があります。  農福連携に取り組まれた施設の昨年度の工賃は、取り組み前の平成二十九年度と比べ約一四%上昇しているとのことですが、工賃をさらに向上するために、商品の価値を高める必要があると私は考えます。  また、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くのイベントが中止となっている中、生産された農産物やその加工品を販売する機会の確保も重要であります。  そこで、農福連携をさらに推進するため、県ではどのような取り組みを行っているのか、伺います。  次に、国民健康保険の保険料率の一本化についてであります。  国民健康保険は、全ての国民が安心して良好な医療の提供を受けられる国民皆保険の最後のとりでとされ、重要な役割を果たしてきております。  しかしながら、国民健康保険は他の医療保険制度と比べ、医療費水準が高く、財政が不安定になりやすいなど、さまざまな課題が指摘されております。  こうした状況を踏まえ、平成二十七年五月に制度創設以来の大きな法改正が行われ、平成三十年度から都道府県も市町村と同じく保険者の一員となり、財政運営の責任主体として、安定的な国民健康保険の制度運営や効率的な事業推進の役割を担うこととされたところです。  市町村については、地域住民にとって身近な存在であることから、引き続き、被保険者の資格管理や保険料の賦課、徴収、保健事業の実施などを行うこととされております。  この制度改革により、県・市町村が共通の認識のもと、国民健康保険を広域的、効率的に運営することが求められ、本県では、運営に際しての統一的な考え方となる国民健康保険運営方針を、平成二十九年九月に定めたものと承知しています。  この運営方針では、市町村の医療費水準の差や保険料の算定方法の違いなどの事情から、保険料率については、当面は一本化せず、将来的には一本化に向けて算定方式の平準化や収納対策などを進めていくとされております。  また、この具体的な進め方については、三年ごとの運営方針の見直しの中で検討していくとされております。  国民健康保険の財政運営は県単位となったことでありますから、公平性の観点から、同一の所得、同一の世帯構成であれば、県内のどこに住んでいても保険料率は同じとなることが重要であると考えます。  県が国民健康保険の保険者に加わり、財政運営の責任主体となってから三年が経過し、本年度は運営方針の改定の年であります。  そこで、保険料率の一本化に向けて、県では、これまでどのような取り組みを進めてきたのか、また、これから具体的にどのように進めていくのか、御所見を伺います。  次に、メディカル・デバイス・コリドー推進センターについてであります。  医療機器産業は、景気動向に左右されない産業分野と言われております。医療機器を含む医療関係の産業は、エッセンシャルビジネス、必要不可欠なものを扱う産業と考えられ、安定的な需要が見込めるためであります。  現在は、新型コロナウイルスの影響で需要が低下している医療機器もあると聞きますが、コロナ対策が進展すれば需要も回復し、さらにはアフターコロナの医療展開に応じた新たな医療機器の需要拡大も予想されることから、今後も有望な産業分野であると考えられます。  私は、長崎知事が取り組んでおられるメディカル・デバイス・コリドー構想は、新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ県内企業に価値ある事業展開をもたらし、地域経済の起爆剤となるばかりでなく、良質な医療機器の提供を通じ、医療強化も図ることができることから、さらに充実させていくことが望ましいと考えております。  本県の施策立案について、私は強い関心を持って推移を見守ってまいりました。  そこでは、構想の推進を図るために設置された有識者会議に、医療機器に取り組む県内企業のトップを迎え、また、県では初めて医療機器産業に関する大規模なアンケート調査を実施するなど、現場の声を施策に反映しようとする姿勢がうかがえました。  これら現場の企業の皆さんの声をもとに実現された、医療機器の専門支援組織であるメディカル・デバイス・コリドー推進センターの設置は、県内企業にとっては、まさに待ち望んでいたものであると思われます。  医療機器産業に精通した専任のコーディネーターが配置され、豊富な企業情報を持つ、やまなし産業支援機構と一体となって運営されるなど、支援体制は飛躍的に向上しており、このセンターの活動により、本県の医療機器産業は大いに伸長されるものと期待しております。
     そこで、本年六月に新設されたメディカル・デバイス・コリドー推進センターにおける活動状況と今後の取り組み方針について伺います。  次に、中部横断自動車道開通を契機とした地域活性化についてであります。  日本列島を支える新たな交通の軸となる中部横断自動車道は、内陸の山梨県と太平洋及び日本海の臨海地域を結び、広域交流の活性化、新たな観光ルートの開発、沿線地域の産業経済の振興など、本県を含む関係地域に大きな効果をもたらすことが期待されております。  また、国内外で頻発する災害への備えとして、代替道路機能や医療活動、救援物資輸送のための役割を担うなど、国土強靱化の観点からも重要性が高まっております。  先般、静岡・山梨間の全線開通時期については、本年中から来年夏ごろに延期するとの発表があり、開通を心待ちにしていた皆様からは落胆の声も聞こえてきますが、これを好機と捉え、開通効果を確実に享受するための準備期間を与えられたものと考えるべきと思います。  開通区間の沿線では、静岡や中京圏からの交通需要の誘発により、企業の立地や、それに伴う雇用の創出、広域的な観光ルートの形成や「バイ・ふじのくに」を初めとした地域の連携による来訪者の増加など、さまざまな効果が出始めております。  全線開通により、これまで以上の効果が期待できますが、これを持続的発展につなげるためには、さらなる沿線地域の活性化に取り組む必要があります。  特に、峡南地域は本県の南の玄関口であり、中部横断自動車道の開通により、中京圏や静岡県と直接高速道路でつながるこの地域の活性化は極めて重要であります。  峡南地域には、全国に誇るべき観光資源が数多くありますが、それぞれが魅力的なコンテンツであっても、中部横断自動車道開通後において、地域間競争に勝ち残るため、これまで以上に地域全体の連携を意識して取り組んでいく必要があります。  過日、県では、峡南五町や道の駅、国土交通省などと峡南地域道の駅ネットワーク協議会を設立しました。地域社会の拠点である道の駅を核とした連携は、本県では初めての取り組みであり、今後の誘客促進や地域の魅力向上に大きな効果が期待できます。  そこで、峡南地域道の駅ネットワーク協議会を大いに活用し、中部横断自動車道開通を契機とした地域活性化につなげるべきと考えますが、県ではどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、気候変動により高まる土砂災害リスクへの対策についてであります。  近年、気候変動の影響により、全国各地で集中豪雨による土砂災害が毎年のように発生し、甚大な被害が頻発しております。  全国においては、平成三十年七月豪雨では、西日本を中心に年平均の土砂災害発生件数の約二・五倍にも及ぶ被害が広域的に発生し、昨年の東日本台風にあっても、一つの台風災害としては、これまでの過去最多の土砂災害が生じております。  本年も、令和二年七月豪雨による土砂災害については、台風シーズン前にもかかわらず、昨年の東日本台風に匹敵する被害が発生している状況であります。  気象庁によれば、今後の降水状況は一日に二百ミリ以上の大雨や一時間に五十ミリ以上の滝のように降る豪雨について、年間発生回数が二倍以上になると予測しており、今後ますます土砂災害の頻発化・激甚化が懸念されます。  本県においては、幸いにも大規模な土砂災害は発生しておりませんが、本年七月には前線の影響で、七月の月間雨量の記録として、わずか八日の間に、県内四つの気象観測所において平均値を上回り、特に南部では最多を更新するなど、異常な状態となっており、大規模災害がいつ、どこで発生しても不思議ではないと考えます。  土砂災害の危険性がある箇所は、土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域として指定されており、警戒避難体制の整備や優先度を考慮した施設整備等が鋭意進められております。  しかしながら、峡南地域は、特に、糸魚川・静岡構造線が走り、急峻な地形と脆弱な地質構造が多く分布し、県内有数の地すべり地帯を抱えている状況もあり、近年の異常な気象状況や災害発生状況を目の当たりにし、地元住民からは「警戒区域に指定されていない箇所において危険性はないのか」といった心配の声も聞こえてくる状況です。  全国的に見てみますと、近年の異常気象により、警戒区域に指定されていない箇所においても、土砂災害の被害が発生しているとのことから、地元住民の心配が現実化するのではないかと懸念しており、警戒区域以外での土砂災害リスクについても再考すべきではないでしょうか。  土砂災害は人命に関する被害に直結することから、重点的に対策を進めていかなければならないと考えていますが、そのためにも、近年の気象状況等を考慮し、新たな土砂災害の発生リスクを把握する必要があると考えますが、今後の取り組みについて伺います。  最後に、電話詐欺被害の抑止対策についてであります。  犯罪発生件数は、全国的に年々減少傾向にあり、本県においても、昨年、戦後最少を記録し、本年も現時点では、さらに減少していると聞いておりますが、新型コロナウイルス感染症に便乗した新たな犯罪の発生が懸念されるところであります。  このような中、県警察では、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の一つである持続化給付金百万円をだましとった詐欺犯を、全国で初めて摘発したと伺っております。  また、先般、息子を装い、新型コロナウイルス感染症に感染したことを口実として、現金千五百万円を高齢の女性がだましとられた電話詐欺が発生したとの報道があり、まさに社会情勢の変化に便乗する悪質な犯罪が発生しております。  この電話詐欺についても、県警察が、犯人グループ四人を逮捕したと伺っており、先の持続化給付金をだまし取った詐欺犯の摘発を初め、県警察の地道な捜査による検挙活動が、犯罪発生の抑止効果を高めることにつながっていると考えております。  しかし、県内の電話詐欺につきましては、平成二十四年以降、毎年、年間の被害総額が一億円を超えるなど、依然として高い水準で発生する状況にあり、特に高齢者が詐欺の被害者となるケースが極めて多いと聞いております。  高齢化が進む本県において、電話詐欺は常に身近な問題として危惧すべきものであり、私自身もこれまでたびたび取り上げてきたところであり、昨年度末には、議員提案による山梨県電話詐欺等被害撲滅に関する条例が制定施行されており、改めて効果的な対策の継続が希求されておるところであります。  高齢者の子や孫を思う愛情につけ込み、県民の貴重な財産をだましとる電話詐欺は、被害者本人に対し、経済的に大きな損失を生むだけでなく、家族の心に大きな傷を負わせる卑劣な犯罪であり、高齢者対策を初めとした電話詐欺被害を抑止する対策が重要であると考えております。  そこで、県内における電話詐欺被害の現状と、県警察で取り組んでいる電話詐欺被害の抑止対策について伺います。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 22 ◯議長山田一功君)望月勝君の質疑・質問が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。        (知事 長崎幸太郎君登壇) 23 ◯知事(長崎幸太郎君)望月議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは、自民党誠心会を代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。  新型コロナウイルス感染症への対応につきまして、全国に先駆けた取り組みに対して、高い御評価を賜るとともに、新型コロナウイルスに起因する差別や偏見を許さない社会の形成が重要であるとのお考えをお示しになりました。  今後も、医療関係者の皆様への感謝を忘れず、誰もが安心して暮らすことができる山梨の実現に取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。  初めに、グリーン・ゾーン認証制度についてであります。  新型コロナウイルス感染症の早期終息が見込めない中、県内外からの安全・安心・信頼を確固たるものとし、県内経済の回復を図っていくためには、より多くの事業者にグリーン・ゾーン認証を取得していただき、その原動力としていく必要があります。  認証制度の構築に当たりましては、感染者が施設内に存在しても、従業員や他の客から濃厚接触者を出さないという、県の基準にのっとった対策を講じていただくために、認証取得に必要な施設改修や機器の購入などの支援を盛り込むとともに、事業者の積極的な取得を促すため、認証施設への誘客を図ってきたところであり、これによりまして、県内全域にわたるグリーン・ゾーンの形成が着実に進みつつあります。  さらに、今回の補正予算では、支援の対象範囲を拡大し、事業者の認証取得の加速化を図るとともに、グリーン・ゾーンの取り組みを大々的にPRする大型観光キャンペーンを、首都圏を中心に展開することといたしました。  キャンペーンでは、動画やポスター、SNSなどを通じ、グリーン・ゾーンを強力にアピールするとともに、GoToトラベルの東京への適用も踏まえ、本県への誘客を促進してまいります。  また、認証を取得した飲食店の利用を促進するため、来月から県内商工団体等が実施するGoToイートキャンペーンにおきまして、プレミアム付食事券の利用対象をグリーン・ゾーン認証施設等としていただいたところでありまして、これをきっかけに、さらに多くの飲食店に認証の取得を呼びかけてまいります。  さて、こうした取り組みにつきましては、静岡県の川勝知事にも大いに賛同いただき、今後の連携を確認いたしました。  日本を代表する富士山のもとで両県が取り組むことにより、グリーン・ゾーンの国際的な知名度の向上に大きく貢献するものと期待しております。  今後とも、感染症に強い社会を構築するという全体構想のもと、先々の動向を見通しながら、感染拡大の防止と本県経済の一日も早い回復を目指し、全力を傾注してまいります。  次に、高齢者施設における新型コロナウイルス対策についてであります。  議員御指摘のとおり、高齢者施設における感染防止対策は非常に重要であることから、これまで県では、マスクなど衛生用品を一括購入、配布するとともに、感染防止対策として留意すべきポイントをまとめた動画の配信などを行ってまいりました。  また、全国の高齢者施設で感染が拡大したことや、本県のサービスつき高齢者向け住宅でクラスターが発生したことを受け、先月、全ての高齢者施設などに感染症対策のための自主点検を依頼し、実施できていなかった項目については再度徹底するよう通知し、必要に応じて支援することとしております。  さらに、施設における感染防止対策を強化するため、マスクなど衛生用品の購入に加え、飛沫防止パネル等の購入や施設の消毒、清掃費用、面会室の改修等に対し、助成することとし、九月補正予算に所要の経費を計上いたしました。  今後も、感染症専門家の助言をいただきながら、感染防止対策に取り組むとともに、万が一、高齢者施設において感染が発生した場合にも、段階に応じて施設の職員が対処すべき手順がわかるように、県が作成したアクションカードに基づき適切な対応をとることで、必要なサービスが継続されるよう努めてまいります。  次に、秋冬に向けた検査体制のさらなる拡充についてであります。  まず、高齢者施設などの職員への検査についてですが、このような施設で感染が拡大すると、利用者に加え、施設の運営にも大きな影響を与えることから、早期に感染を発見し、拡大を防止することが重要であります。  このため、外部との接触機会が多い職員を対象に、発熱やのどの痛みなど少しでも症状がある場合には、保健所へ相談の上、速やかに検査を実施することとし、今月十日に関係機関に通知いたしました。  議員御指摘の高齢者施設のほか、社会機能の維持に不可欠であり、利用者の重症化や感染のリスクが高い医療機関、障害福祉施設、幼稚園・保育園なども対象とし、早い段階で積極的に検査につなげてまいります。  次に、秋以降の診療・検査体制の確保についてですが、現在は、地域の拠点病院を中心に診療や検査を行っておりますが、インフルエンザの流行期には、多くの発熱患者の発生が想定されることから、地域の身近な医療機関で相談や診療・検査ができるよう、県医師会や市町村などと連携して検討を進めてまいります。  現在でも約三十カ所の診療所では検体採取が可能となっておりますが、抗原簡易キットの活用や院内感染防止対策への支援を進め、診療や検査ができる医療機関の増加に取り組んでまいります。  これに加えまして、医療機関や甲府市医師会のPCR検査センターなどでの検査能力の拡充を進め、秋以降の患者増加時でも確実に対応できる体制を構築してまいります。  次に、災害時の電力確保対策についてであります。  先月策定いたしました電力供給体制強靱化戦略は、災害時にあっても、極めて重要なライフラインである電力を確保するため、事前の対策による電力インフラ被害の最小化、停電からの早期復旧、災害に強いエネルギーシステムの導入の三本を柱に構成しております。  具体的には、議員御指摘のとおり、本県でも倒木への対策が特に重要であることから、財源や関係者の役割分担等の課題を整理した上で、樹木の事前伐採を進めていく必要があります。  このため、去る六月三日に私みずからが、当時官房長官だった菅首相に、国による財源確保等を強く要望し、その結果、森林整備補助金の弾力的運用や、本県と関係省庁による連絡会議の設置など、取り組みを最大限に後押しする対応が図られたところであります。  こうした成果をもとに、戦略では、市町村や東京電力等と連携し、変電所周辺など、広範囲の停電につながるおそれのあるエリアを中心に、樹木の事前伐採を着実に進めていくこととしております。  また、停電からの復旧に向けましては、関係者間で被害状況等の情報を共有する中で、病院など社会的重要施設に連携する主要幹線から優先して対応することにより、迅速かつ効果的に復旧作業を進めていく必要があります。  このため、東京電力と社会的重要施設に関する情報の共有や、ヘリコプター映像の相互利用など情報収集体制の強化を図るとともに、市町村等とも連携し、道路を塞いで作業の支障となる倒木の除去や、現地復旧拠点の確保などを行ってまいります。  あわせて、復旧までに時間を要する避難所等の電源を確保するため、電源車の派遣や電気自動車の貸与について、東京電力及び日産自動車等と協力体制を構築し、さらに、孤立化が懸念される施設については、市町村と連携して、非常用電源の導入を進めてまいります。  戦略の推進につきましては、これまで戦略検討のため設置してきた県、市町村、電力会社等による会議を今後も引き続き開催し、県内の停電発生状況や各種対策の実施状況の情報などを共有する中で、取り組みを進めてまいります。  また、樹木の事前伐採につきましては、本年度は北杜市内の道路沿いや南部町内の民有林で計画しておりますが、伐採箇所ごとに状況が異なることから、その都度、市町村など関係者による調整会議を設け、役割分担等を明確にしながら、円滑に事業を進めてまいります。  県と市町村、電力会社など関係者の連携・協力のもと、戦略に掲げたさまざまな対策を着実に実施し、災害時の電力確保に万全を期してまいります。  次に、林業の担い手育成機関の設置についてであります。  本県の豊かな森林資源を有効に活用し、林業を成長産業に押し上げていくためには、増大する木材生産や生産性の向上を支える担い手の確保・育成が極めて重要であります。  このため、県では林業の担い手育成機関として、専門学校県立農業大学校に、林業に関する新たな学科を設置し、林業の現場で即戦力となる専門的な知識と技術を備え、将来的には、林業経営体の中核を担える人材の育成を目指していくこととしております。  新学科では、森林、林業、木材産業全般の幅広い専門的な知識、安全かつ効率的に現場作業を行う高度な技術力、林業経営に必要な企画力やマネジメント力、こういったことなどの習得に必要な教育を実施してまいります。  また、こうした教育を進めるに当たっては、既存の教育資源を生かし、一般教養は、農業大学校と共通の科目を設定することとし、専門教育は、実習フィールドや研修設備を持つ県森林総合研究所におきまして、最新の試験研究成果などを活用しながら行うこととしております。  今後、令和四年度の新学科の設置に向け、学習環境を整えるための施設改修を行うほか、有識者の意見を伺いながら、具体的なカリキュラムを検討するなど、必要な準備を進めてまいります。  次に、農業の担い手確保・育成についてであります。  県では、これまで就農希望者に対し、就農相談から技術習得、就農後の経営安定まで一貫した就農支援を行ってきておりますが、昨年十二月に策定した、やまなし農業基本計画におきましても、農業の担い手の確保・育成を最重点施策に位置づけたところであります。  これに基づきまして、首都圏等の就農希望者に向けた情報発信を強化するため、国内最大の農業総合情報サイトに、本県の農業の魅力発信ホームページを十月に開設するとともに、オンラインにより、就農希望者に対し本県農業の魅力や先輩就農者の体験談等を効果的に発信していきます。  さらに、地域おこし協力隊や移住希望者等をターゲットとした特定地域づくり事業協同組合制度の活用に向けて、市町村や事業者に先進事例を紹介し、過疎地域における農業労働力の受け皿を整備してまいります。  また、ウイズコロナ・ポストコロナを見据え、ワーケーションで本県を訪れる方や、二拠点居住等を希望する方に対しまして、市民農園や農業大学校における研修等において、農作業体験の機会を提供することにより、農業に興味や関心を持っていただき、本県での就農に結びつけてまいります。  加えて、新たな取り組みとして、本県に移住し、就農した方のネットワークづくりを進めることにより、新規就農者のコミュニティーを形成し、育成・定着と、さらなる移住・定住の促進を図ってまいります。  今後も、市町村、関係機関等と連携し、農業の担い手の確保・育成に鋭意取り組み、本県農業の維持・発展を図ってまいります。  次に、農泊の推進についてです。  農泊は、農村地域の古民家や伝統食などの地域資源を活用した都市住民との交流を通じて、農家所得の向上や雇用拡大による地域の活性化につながる重要な取り組みであります。  このため、県では、市民農園の整備や農業体験メニューの発掘など、地域資源の拡充について支援を行うとともに、昨年度からは、ビジネスとして成り立つ実践的な計画づくりやモデルツアーの実施により、農泊に取り組む地域の拡大を図ってまいりました。  これにより、本年二月には、身延町と市川三郷町の事業者が連携した農泊ツアーが開催され、参加者の皆様から好評を得るとともに、山梨県農泊推進連絡会を立ち上げ、地域間のネットワーク化を支援しているところであります。  さらに、新型コロナウイルスの影響下におきまして、国内旅行への回帰や都会の三密の日常から逃れ、自然の中で新たな体験をしたいというニーズの高まり、テレワーク時代の到来によるワーケーション等の新たな社会的需要を踏まえ、その受け皿となる農泊を、より一層推進していく必要があると考えております。  このため、既に農業体験民宿等を開設している方には、やまなしグリーン・ゾーン認証に向けて、キャッシュレス決済やパーティション等の導入を引き続き進めるとともに、農泊に取り組んでいる地区につきましては、通信環境の整備や教育旅行の誘致等を支援してまいります。  今後も、市町村や関係団体と連携し、農泊のさらなる普及、定着に鋭意取り組み、農山村地域の活性化を目指してまいります。  次に、農福連携のさらなる推進についてです。  県では、障害のある方の就労機会の確保と工賃の向上による経済的自立、農業分野での多様な担い手の確保を図るため、農福連携による取り組みを積極的に推進しております。  この取り組みを、より効果的なものとするためには、障害のある方の丁寧な作業による良質な商品であることや、農福連携への県民の共感、商品の購入を通じた社会貢献、これらをブランド価値として捉え、差別化やブランド化を図っていくことが重要であります。  このため、ブランドやデザインにかかわる有識者などで構成する戦略会議におきまして、農福連携商品であることを明らかにするためのロゴマークを作成するなど、ブランド力の向上に向けた検討を進めてまいります。  さらに、生産方法や表示の基準を規格化したノウフクJASの取得促進を図るため、その効果や手続に関するセミナーを開催するとともに、障害のある方の参画による農産加工品のPR手法を検討することとしております。  また、感染症の影響により、多くのイベントが中止となるなど、商品を即売する場が減少しておりますが、感染防止対策を講じる中で、昨年度から開催している農福マルシェ等を継続して実施し、販売機会を確保していくこととしております。  加えて、多くの県民の皆様に商品のすばらしさを知ってもらえるよう、新聞やパンフレット、ホームページなどによるPRを展開するとともに、農産加工品の詰め合わせのテスト販売を行うなど、販路拡大を支援してまいります。  次に、メディカル・デバイス・コリドー推進センターについてであります。  医療機器産業の専門支援機関の設置は、県内企業の強い要望で実現したものですが、センター開所後三カ月間で六十三社から百四十二件の支援相談があるなど極めて反響が大きく、企業の強い意欲を感じているところであります。  相談内容につきましては、比較的参入が容易な部品や材料供給に関するものが四十二件と最も多く、企業技術を生かした部品加工から専門性の高い設計・組み立てに至るまでさまざまであり、中には規模の大きな受注を目指している企業もあることから、取引成立に向け、重点的な支援を行ってまいります。
     また、参入済み企業からは、いわゆる下請を脱して設計や組み立てを行うODM受注を増大したいという積極的な相談が寄せられており、企業の成長を促すため、法定の医療機器製造業に登録するための支援なども強化することといたします。  このほか、専門人材確保、資金調達、販路開拓、知的財産権の取得など多様な相談が寄せられていることから、県の助成やセンターを設置した産業支援機構の事業をフル活用して、企業状況に応じた、きめ細かな支援を展開してまいります。  さらに、医療機器開発につきましては、先般、県とセンターで依頼を行い、従来の山梨大学に加えまして、県医師会、民間病院協会及び官公立病院等協議会からも開発ニーズの協力を得られることになったため、今後は急性期から慢性期医療まで幅広い医療機器の開発を図ることといたします。  センター開設の大きな効果の一つは、相談や企業訪問を通じて企業動向など情報の集中的な把握が可能となったことであり、これら情報を活用する中で、県とセンターが一体となって、医療機器メーカーとの幅広い結びつけを、より効果的に行うなど、意欲的な県内企業に対する強力な支援を行ってまいります。  最後に、中部横断自動車道開通を契機とした地域活性化についてであります。  中部横断自動車道静岡・山梨間の全線開通は、静岡県や中京方面からのアクセス向上による誘客効果を最大限に生かすための絶好の機会であり、新たな玄関口となる峡南地域において、観光振興や地域活性化を図ることが肝要であります。  このため、県では、峡南地域五町とともに、道の駅を活用した連携強化を図るため、先月十九日に峡南地域道の駅ネットワーク協議会を設立したところであります。  協議会では、点在する五つの道の駅が連携し、地域の魅力を旅行雑誌や専門誌、SNSの活用などにより、一元的に情報発信するとともに、観光名所を周遊するためのサイクルツーリズムなど、地域全体で効果を享受できるよう、県内の他地域との連携も視野に入れつつ、検討を進めてまいります。  さらに、空の玄関口となる富士山静岡空港と相互に観光情報を発信するなど、静岡県との連携を強化し、両県の経済活性化につなげてまいります。  また、周遊観光を魅力あるものとするため、数多くある峡南地域の観光資源を専門家のアドバイスも受けながら、地域と協働して磨き上げを行い、高付加価値化にも取り組んでまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長等からお答えを申し上げます。 24 ◯議長山田一功君)知事政策局長、渡邊和彦君。        (知事政策局長 渡邊和彦君登壇) 25 ◯知事政策局長渡邊和彦君)望月議員の新型コロナウイルス感染症に関する在住外国人への対応についての御質問にお答えをします。  県としては、在住外国人の方々についても、やまなし外国人活躍ビジョンに基づき、同じ県民として、安心して暮らしていただける環境づくりを積極的に進める必要があると考えております。  昨年八月に開設したやまなし外国人相談センターにおいては、外国人スタッフを配置するなど、十一の言語に対応したワンストップの相談体制を整えており、新型コロナウイルス感染症に関して、学校の臨時休校や経済的困窮等の相談に応じております。  また、県のホームページにおいては、県内の感染情報や感染拡大防止のための新しい行動様式などについて、ポルトガル語やベトナム語など、七カ国語により発信しております。  さらに、本年六月には、在住外国人に寄り添った活動を行う外国人地域生活サポーターを県内各地に配置し、特別定額給付金の申請に同行したり、スマートフォンのプッシュ通知で情報を発信するなどの対応も行っております。  本県は、全ての県民が、誰一人取り残されず、安心して暮らせる社会の実現を目指しており、議員御指摘のとおり、在住外国人の方々に本県を第二のふるさとと感じていただき、外国人から選ばれる県となれるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 26 ◯議長山田一功君)福祉保健部長、小島良一君。        (福祉保健部長 小島良一君登壇) 27 ◯福祉保健部長小島良一君)望月議員の国民健康保険の保険料率の一本化についての御質問にお答えいたします。  県はこれまで、市町村の保険料算定方式の見直しや保険料の収納率向上、医療費の適正化に対する積極的な取り組みを評価し、市町村に対し、特別交付金を活用し、支援してまいりました。  その結果、保険料の算定方式は、令和五年度までに所得割、均等割、平等割の三方式に統一されることとなり、市町村の保険料収納率なども改善が図られております。  県内市町村で最も低い保険料収納率は、平成二十七年度には八九%台だったものが、平成三十年度には九二%台に上昇し、最も高い被保険者一人当たりの医療費についても五十七万円台から四十四万円台に低減しておりますが、今後もさらなる取り組みを進める必要があると考えております。  このため、保険料収納率の向上につきましては、収納対策の専門家による研修会の開催や、地方税滞納整理推進機構と連携した徴収確保対策を一層図ってまいります。  また、医療費の適正化につきましては、レセプトや健診情報などのデータ分析に基づき保健指導の充実を図る市町村への支援や、後発医薬品の使用促進などを推し進めてまいります。  このような取り組みを強力に推進し、市町村の底上げを図った上で、十年後の令和十二年度には、県内どこに住んでいても同じ水準の保険料となることを目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 28 ◯議長山田一功君)県土整備部長、大儀健一君。        (県土整備部長 大儀健一君登壇) 29 ◯県土整備部長大儀健一君)望月議員の気候変動により高まる土砂災害リスクへの対策についての御質問にお答えします。  本県は、土砂災害リスクが非常に高い地域であり、これまでに七千九十一カ所を土砂災害警戒区域に指定し、ハザードマップによる危険の周知や砂防施設の整備など、ソフト・ハード対策を進めてきたところであります。  近年、全国では、気候変動の影響に伴う局地的な豪雨により、これまで警戒区域に指定されていなかった箇所で土砂災害が発生しており、令和元年東日本台風では、人的被害などが生じた箇所の約四割が警戒区域以外で発生しております。  本県においても、令和元年東日本台風において、警戒区域以外で土砂災害が発生していることから、早急に、警戒区域以外の箇所について、これまでよりも高精度なリスク評価を実施し、新たに警戒区域に指定する必要があると考えております。  このため、本年度中に、新たな土砂災害のおそれのある箇所を最新のデジタル地形図を活用して抽出し、来年度から、現地調査と解析を進め、順次、新たな警戒区域を指定してまいります。  今後は、これまでの警戒区域とあわせ、改めて優先順位をつけながら、県土の強靱化に向けて砂防施設の整備を着実に進めてまいります。  以上でございます。 30 ◯議長山田一功君)警察本部長、大窪雅彦君。        (警察本部長 大窪雅彦君登壇) 31 ◯警察本部長大窪雅彦君)望月議員の電話詐欺被害の抑止対策についての御質問にお答えします。  議員御指摘のとおり、県民の貴重な財産をだましとる電話詐欺は許しがたい悪質な行為であり、県警察では重点的な対策に取り組んでおります。  県内における電話詐欺の被害は、本年八月末現在で三十八件、約一億一千二百万円と、前年同期と比べ、件数は減少しておりますものの、高額被害の事案があったことなどから、被害額は既に昨年の年間被害額に迫る厳しい状況となっております。  また、六十五歳以上の高齢者の被害が多く、全体の九割近くを占めております。  抑止対策として、県警察では、金融機関やコンビニエンスストアと連携し、窓口での高齢者に対する積極的な声かけにより、八月末現在で五十二件、約八千万円の被害を阻止しております。  また、キャッシュカードをだましとられた場合に被害額を最小限にとどめるため、引き出し限度額を制限する対策なども講じております。  さらに、新型コロナウイルス感染症の情勢を踏まえ、感染予防に配意した非接触型の対策として、注意喚起を呼びかけるリーフレットのポスティング、留守番電話設定や迷惑電話防止機能を有する機器の設置を推奨するなど、被害に遭わないための対策を強力に推進しております。  このほか、若者がSNSなどを利用して安易に犯罪に加担することを防ぐため、公式ツイッターを通じて警告を発出するなどの対策を行っております。  今後も引き続き、県民の安全・安心に資するため、関係機関と連携し、検挙と被害防止対策を両輪とした取り組みを強化してまいります。  以上でございます。 32 ◯議長山田一功君)当局の答弁が終わりました。  望月勝君に申し上げます。再質問はありませんか。望月勝君。 33 ◯望月 勝君 先ほど答弁いただきました秋冬に向けた検査体制の関係でございますが、私も質問の中で、地域の医療を十分に生かした中で、早ければ十月ごろからインフルエンザワクチンの接種が始まるというようなこともありまして、ワクチンが不足するんじゃないかというような話もあったんですけれども、国のほうでは十分な対応はしているということでございます。  その中で、地域医療のやはりかかりつけの医院との連携を、どのように県でとっているのか、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。 34 ◯議長山田一功君)福祉保健部長、小島良一君。        (福祉保健部長 小島良一君登壇) 35 ◯福祉保健部長小島良一君)望月議員の再質問にお答えをいたします。  この冬からインフルエンザも新型コロナウイルス感染症と同時に感染の拡大が見込まれているところであります。議員御指摘のとおり、民間の医療機関と連携を密接に図りながら、インフルエンザワクチンの接種にも努めてまいる必要があると考えております。  現在、県医師会、それから地区医師会等と協議を重ねているところでありまして、県医師会の先生方にインフルエンザのワクチンを接種していただくに当たりまして、まず六十五歳以上の高齢者の方について、それから六十歳から六十四歳までの基礎疾患のある方については県で助成を行いまして、無料でワクチン接種ができるような形で、その方々については、来月の初旬からインフルエンザワクチンの接種ができるような、そのような仕組みづくりをしまして、現在県医師会、地区医師会等と協議を重ねているところでございます。  十分に連携を図りまして、必要な方々にインフルエンザのワクチンがしっかり接種ができるように、それから新型コロナウイルス等との感染の拡大の防止にも進められますように、鋭意努めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。  以上でございます。 36 ◯議長山田一功君)望月勝君に申し上げます。再質問はありませんか。望月勝君。 37 ◯望月 勝君 先ほど知事から答弁をいただきまして、災害時の電力確保対策についてでありますが、これは電力会社と、それから市町村との協議会をもって開催しているという会議の中で、できれば各市町村のほうに森林組合とか林業経営体をしている民の方もおりますけれども、こうした方が地域のそうした倒木や、いろいろな機能、道路の関係とか電線にかかるそういう状況、非常に詳しくわかる方々がおりますので、できればそういう方々も加えながら、これも進めていただければと思います。その辺をお聞きしたいと思います。 38 ◯議長山田一功君)森林環境部長、村松稔君。        (森林環境部長 村松 稔君登壇) 39 ◯森林環境部長(村松 稔君)望月議員の再質問にお答えいたします。  樹木の事前伐採についての再質問でございますけれども、先ほど知事から答弁をいたしましたとおり、県内の伐採箇所につきましては、東京電力からの情報をいただきまして、優先順位をつけながら実施をしていくということでございますが、それぞれ伐採箇所ごとに状況が異なるということでございまして、市町村などを含めた調整会議を開催しながら、円滑に進めていきたいと思っております。  その中で、今、議員から御提案がございましたとおり、地域の森林の状況について、よく御存じでいらっしゃる森林組合などにつきましても、市町村などとしっかり相談をいたしまして、必要に応じて参加していただくような対応をとってまいりたいと考えております。  以上でございます。 40 ◯議長山田一功君)これをもって、望月勝君の代表質問を打ち切ります。  以上で本日の日程は全部終了いたしました。  明九月二十五日午後一時会議を開き、代表質問及び一般質問を行います。  本日は、これをもって散会いたします。                                          午後三時三十分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Yamanashi Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...